秋に食べたくなる野菜といえば、根菜類。
とくに11月から冬にかけておいしくなる「ごぼう」は、日本食に欠かせない根菜です。
素朴な風味と土っぽいニュアンス、ほのかな苦みにワインを合わせるのはむずかしいとイメージする方も多いかもしれません。
今回、料理研究家の尾田衣子さんに「ワイン×ごぼう」をテーマにしたレシピを紹介してもらいました。
日常の食卓に取り入れやすい、おすすめのワインペアリング。
ごぼうがおいしい季節を、ワインとともに楽しんでください。
ごぼうにはツヴァイゲルトがおすすめ

滋味あふれる味わいが魅力のごぼう。
力強い食感と大地を感じさせる風味、ほのかな甘みと苦みがクセになる根菜です。
ごぼうの風味や香りのもとになっているのがポリフェノールやサポニンで、ごぼう特有の深い風味とコク、ほのかな甘みを引き出すもとになっているとか。
ごぼうの特徴から合わせるワインを選ぶとなると、ポイントはテクスチャーと土っぽさを感じられるワイン。
長野県のメルローはごぼうにぴったりですが、もう少し日常的に楽しめるお手軽なワイン(近頃、長野メルローは品質が高くなり、ハレの日に楽しめるワインが多いため…)となると、おすすめはツヴァイゲルト(ツヴァイゲルトレーベ)です。
ツヴァイゲルトはオーストリアを代表する黒ブドウ品種ですが、冷涼な気候と栽培環境を好むことから、日本では北海道や東北地方で広く栽培されています。
ツヴァイゲルトは、赤ワインらしいベリーやチェリーの香りだけではなく、スパイシーなニュアンスや土っぽさ、ハーブを感じさせる複雑さが魅力のブドウ品種。
果実由来のほのかな甘み、酸味は豊富、タンニンは中程度、しっかりとしたテクスチャーもあるなど、ごぼうの食感や風味の特徴と共通する部分があります。
今回は、北海道のツヴァイゲルトにごぼう料理を合わせます。
ごぼう料理とツヴァイゲルト
ツヴァイゲルトにごぼうを合わせるなら、ごぼうの香りや食感を生かしたものがおすすめ。
ごぼうは純和風の味付けではなく、特有の味があるからこそ、幅広いジャンルの料理にアレンジすることができます。
今回、日常の食卓に取り入れやすいごぼうのアレンジ料理を尾田衣子さんが考案。
そこに、ツヴァイゲルトを合わせます。
ごぼうとえのきのジューシーピーマン肉詰め

・材料2~3人分
- ピーマン:3個
- 合いびき肉:200g
- 玉ねぎ:1/4個(みじん切り)
- ごぼう:60g(粗みじん切り)
- 小麦粉:適量
- えのき:1/4袋
- 赤ワイン:大さじ1
- 味噌:大さじ1/2
- ケチャップ:大さじ1
- ウスターソース:大さじ1
- 水:大さじ2
- 塩・こしょう:適量
・作り方
- 合挽き肉に、塩・粗挽き黒胡椒、サッと炒めて香りを立たせたごぼうと玉ねぎをしっかり練り混ぜる。
- 半分に切って種を取ったピーマンに小麦粉を軽くはたき、タネをふっくら山盛りに詰めて肉側から香ばしく焼き上げ、裏返して蒸し焼きにする。
- フライパンに残った肉汁に2㎝幅に切ったしめじを炒め、赤ワイン・味噌・ケチャップ・ウスターソース・水を加えてとろみがつくまで煮詰め、肉詰めにのせる。
- Point
ピーマンの肉詰めを、ごぼうでアレンジ。合いびき肉と玉ねぎのみじん切りに、ごぼうのみじん切りを加えています。ソースはきのこを使った秋らしい雰囲気。味噌とウスターソース、ケチャップ、赤ワインベースのソースで仕上げました。むずかしいことを考えずに、手軽に作れます。
- ペアリング
赤ワインベースのソースとツヴァイゲルトのベリーやチェリーの風味がマッチ。ごぼうの風味をワインの果実味が包み込み、バランスの取れた組み合わせです。スパイシーなひき肉の風味、ピーマンの苦みも黒こしょうの香りとやわらかなタンニンと親和性が高く、違和感なくペアリングを楽しめます。こしょうと塩味を少し強めにした、しっかりとした味わいでもOK。お好みに合わせて味わいを調整してみてください。
牛肉とひよこ豆のエスニックスパイス トマトスープ

・材料2~3人分
- 牛こま切れ肉(または牛バラ薄切り): 150g
- 玉ねぎ: 1/2個(粗みじん切り)
- 人参: 1/2本(縦半分に切り薄切り)
- ひよこ豆(水煮): 100g
- パクチー: 1〜2株(根と茎は細かく刻み、葉はざく切り)
- にんにく(すりおろし): 1片分
- オリーブオイル: 大さじ1
- クミンパウダー: 小さじ1
- コリアンダーパウダー: 小さじ1
- 粗挽き黒胡椒: 少々
- トマト缶(カットまたはダイス): 200g(1/2缶)
- 水: 400ml
- 洋風顆粒コンソメ: 小さじ1
- 醤油: 小さじ1
- 塩: 小さじ1/2前後(味を見て調整)
・作り方
- 鍋にオリーブオイル、にんにく、刻んだパクチーの根と茎、玉ねぎ、人参を入れて中火にかける。
- 玉ねぎが透き通ってきたら弱火にし、クミンパウダー・コリアンダーパウダーを加えて香りが立つまで約30秒炒めます。
- 中火に戻し、牛肉を広げながら加えてさっと炒めひよこ豆を加える。
- トマト缶、水、コンソメを加え、沸騰したらアクを取り除き、蓋をして弱火で約10〜12分、人参が柔らかくなるまで煮込む。
- 醤油、塩、粗挽き黒胡椒で味を調える。
- 器に具だくさんに盛り付け、フレッシュなパクチーの葉を山盛りにトッピングする。
- Point
ごぼうをエスニックにアレンジ。パクチーをはじめ、クミンやコリアンダー、粗びき黒胡椒などで、エキゾチックな味わいに仕上げています。ごぼうと相性の良い牛肉を使い、さらにひよこ豆も加えたトマトベースの味付けなので満足度も◎。ごぼう特有の風味も、ひとつの個性として全体がおいしくまとまります。
- ペアリング
パクチーの風味がツヴァイゲルトのハーブの香りと共鳴する、清涼感のあるペアリング。ワインから感じられるスパイス、果実味、酸味などがスープの調味料のように溶け込み、料理をより複雑な味わいに感じさせます。牛肉とごぼうのテクスチャー、ひよこ豆の甘みもワインとの相性を高める要素。後味にワインの酸が少し残ったように感じられるため、すっきりと爽やかな後味を楽しめます。
まとめ
ごぼうは整腸・便秘解消の効果をはじめ、さまざまな健康・美容効果が期待されています。
おいしいだけではなく、健康にも気をつかっている方におすすめの食材です。
ワインとごぼうのペアリングを実践しながら、食欲の秋をヘルシーに楽しみましょう。
参考

料理研究家/分子栄養学アドバイザー
オリーブオイルソムリエ
尾田 衣子(Oda Kinuko)
料理研究家・オリーブオイルソムリエとして、ワインの個性を引き立てるタパスや家庭料理を多数考案。
現在は、ワイン×タパスの少人数制イベントを中心に活動。
「難しい理屈より、家で再現できて“ちゃんと美味しい”こと」を大切に、初心者にも分かりやすい言葉でワインの楽しみ方を伝えている。
また分子栄養学をベースに“ワインを楽しみながら体を労わる食の工夫”にも定評があり、大人世代に向けた“心と体が軽くなるワイン時間”の提案を行っている。
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