2026年10月21日、東京・丸の内にて、日本ワイン共創プロジェクト「Discover, Japan Wine」の発足共同発表会が開催されました。
プロジェクトを立ち上げたのは、サントリー株式会社、マンズワイン株式会社、メルシャン株式会社の3社。日本ワインを代表するワインメーカーが企業の垣根を越え、国内における日本ワインの新たな飲み手の拡大を目指します。
スローガンは「はじめての日本ワインに、たしかな出会いを。」。
2026年から2028年までの3年間にわたり、都市部でのイベントや飲食店との連携、ワイナリーツーリズムなどを通じて、日本ワインを知り、楽しむ機会を創出していきます。
ワイナリー数は増加、一方で消費は伸び悩み
メルシャン株式会社 シャトー・メルシャン事業本部 本部長の小林弘憲氏から「日本ワイン市場の変化と課題」とし、今回のプロジェクト発足の背景となる日本ワイン市場が抱える現状について説明がありました。
発表によると、国内のワイナリー数は過去10年間で200以上増加し、2025年には519軒に到達。日本ワインの輸出数量も、過去10年間で約3.5倍に拡大しています。
一方、国内市場の販売数量は2016年頃をピークに伸び悩み、近年は減少傾向にあります。
日本ワインの購入者数も、2020年の約305万人から2025年には約216万人へ減少しました。
発表会では、日本ワインの品質向上や国内外での評価が進む一方、消費者がその魅力を知り、実際に味わう機会が十分に広がっていないことが課題として挙げられました。
そこで3社は、これまで日本ワインに親しんできた愛好家だけでなく、初めて手に取る消費者との接点を増やすことを共通の目標に掲げました。
具体的なターゲットとして、2028年には、日本ワイン購入者における新規流入を2025年比150%に拡大することを目指します。

丸の内からスタート、2027年には日本の新酒文化の醸成へ
プロジェクトでは、「都市エリア」「飲食店」「産地」の3つの視点から、日本ワインとの新たな出会いを生み出していきます。
初年度となる2026年は、三菱地所が主催する「丸の内 日本ワインWeeks 2026」に参加。丸の内の飲食店やイベントを通じて、ビジネスパーソンや来街者、訪日外国人など、幅広い層に日本ワインを体験する機会を提供します。
また、11月には各社のワイナリーイベントも展開。「マンズワインフェスタ勝沼」(11月3日)に加え、「シャトー・メルシャン 勝沼マルシェ」と「登美の丘ワイナリー収穫感謝祭」(11月7日・8日)が開催される予定です。
2年目の2027年には、日本の新酒を秋の風物詩として楽しむ文化の醸成を目指します。
さらに、音楽やアート、ウェルネス、食、旅といった異なるカルチャーとのコラボレーションや、飲食店を通じた日本ワインの普及にも取り組む計画です。
3年目の2028年には、産地と地域の連携を深めるワイナリーツーリズムなどを通じて、継続的に日本ワインを楽しむ仕組みづくりを目指します。

3社の共創から、業界全体の取り組みへ
日本ワイン市場が抱える課題は、一企業の努力だけで解決できるものではありません。だからこそ、業界を牽引してきたサントリー、マンズワイン、メルシャンの3社が、競合の枠を越えて手を取り合い、課題解決に向けて動き出したことには大きな意義があるのでしょう。
一方で、日本ワインの新たな飲み手を増やし、市場全体を活性化させるには、3社の取り組みだけでは十分ではありません。今後、ほかのワイナリーや飲食店、流通関係者、そして産地へと、どのように共創の輪が広がっていくのかは注目すべきところでしょう。
本プロジェクトが、業界全体で日本ワインの未来を考え、新たな飲み手との接点を生み出していく、その大きな第一歩となることを期待したいですね。


