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【インタビュー】「ドメーヌ・タカヒコ」とシュピゲラウが共同開発! 『PINO(ピノ)』の魅力を深掘り

日本のみならず、世界的にも高く評価されている北海道余市町のワイナリー「ドメーヌ・タカヒコ」。

今、同ワイナリーの代表 曽我貴彦⽒協力のもと、シュピゲラウ・ジャパンが開発し、発売された多機能グラス『PINO(ピノ)』が話題です。

曽我氏のこだわりが詰め込まれているワイングラスで、一般消費者や飲食業界からも引く手あまたの状況が続いています。

今回、『PINO』の開発プロジェクトを立ち上げたシュピゲラウ・ジャパン 白水健(しらみず けん)氏にインタビュー。

『PINO』の開発秘話や魅力はもちろん、ワイングラスの選び方などについてお聞きました。

『PINO』開発のストーリー

白水「『PINO』を一言で表すと、“自由度の高いワイングラス”。和食をはじめとしたカウンターが設置されている日本の飲食店で使いやすいコンパクトなサイズ感、持ったときに驚くような軽さと薄さ、どんなワインにも使いやすいなど、これらがひとつになっているところが特徴のワイングラスです。」

北海道余市町のワイナリー「ドメーヌ・タカヒコ」の曽我貴彦氏協力のもとシュピゲラウ・ジャパンが開発した『PINO』は、従来のワイングラスとは一線を画す驚きのワイングラスとして注目されています。

一体、どのような経緯で開発がスタートしたのでしょうか。

高級寿司店で使えるワイングラス

白水「『PINO』開発のきっかけは、じつは貴彦さんとの雑談がきっかけなんです。“近頃、ワインを提供する和食店、とくに寿司店が増えている。カウンターメインのお店も多いなか、ワイングラスを置けるスペースの確保がむずかしいよね”というニュアンスの話をしていました。こういった雑談の中から、ワインの⾹り、とくに“旨味”のニュアンスを従来のグラス以上に引き出すことができるだけではなく、⼩型で軽く、極限まで薄さを追求したワイングラスは作れないかという話しの中で、この企画がスタートしました。また、フレンチをはじめとする洋⾷はもちろんですが、とりわけ⾼級寿司店の繊細な空間でも違和感なく使えるグラスであること。さらに、できる限り多くの方に手に取っていただける価格帯であることなども重要な要素でしたね。

当初、条件としてステムはありき、台座やボウルのサイズ感のバランスや持ちやすさなど、そのときにさまざまな案を出し合ったとのこと。

白水「今回、とくにこだわったのがワイングラスの設計です。3Dプリンター業者と一緒に丸みや大きさ、脚の長さ、ボウルサイズなどその場で設計図を調整しました。おそらく、30パターン以上は作ったと思います。製品化された『PINO』の容量は512ccなのですが、ボウルが小さいと香りが出ない、大きすぎると全体のバランスが悪くなるなど、このサイズ感に着地できるまでが本当に大変でしたね。」

ハンドメイドクオリティの軽さと薄さ

さらに、『PINO』のこだわりは軽さと薄さ。

ハンドメイドでないとできないレベルで、仕上げられています。

白水「ワイングラスの軽さは、イコール薄さです。今回、工場のマシンで“これ以上、薄くできない”という限界まで薄く仕上げました。ちなみに3Dプリンターで作成した設計図デザインを送って型を作るのですが、どうしてもプラスマイナス数ミリの誤差は発生します。さらにマシンで作ると1回で数千数万個できあがってしまうため、ある意味で賭け
でしたね。数ミリ、数g単位に徹底してこだわっただけではなく、台座も指定しており結果的に1脚100gを切っています。おそらく、ハンドメイドではないワイングラスでここまでこだわって作られているものは、『PINO』が初めてなのではないでしょうか。」

実際に『PINO』を持ち上げてみると、嘘かのような軽さ。

白水「男性の指3本分、ステムを指に乗せてもやじろべいのようにバランスが取れるように設計されています。例えば、ボウルが重たいことをトップヘビーと言うのですが、ワインを飲むときに意外にストレスがかかるんです。『PINO』は、何も考えずにすっと持ち上げられるストレスフリーなワイングラス。直感的に使えます。」

これだけのこだわりが詰め込まれたワイングラスであるにもかかわらず、この企画が持ち上がってから『PINO』が誕生したのはわずか1年以内。

シュピゲラウという自由度の高いブランドであることから、このスピード感で作り上げることができたという部分もポイントです。

ワイナリーでも『PINO(ピノ)』が活躍中

『PINO』最大のポイントが、「ドメーヌ・タカヒコ」の曽我氏と共同開発されているところ。

曽我氏のワインといえば、“うまみ”が特徴ですが、『PINO』には同氏ならではのこだわりが詰め込まれています。

白水「『PINO』もドメーヌ・タカヒコの特徴である、“うまみ”を表現できるワイングラスとして作られています。香りをはじめ、ワインのさまざまな要素を引き出すワイングラスは多いですが、“うまみ”を視点に作られたワイングラスは今までにないと思います。」

実際に仕上がったサンプルのワイングラスをいくつか曽我氏が飲み比べ、“これだ”というものを製品化。

関係者全員の意見も合致したことで、『PINO』がリリースされました。

白水「もともと、ドメーヌ・タカヒコではリーデルのピノ・ノワールグラスを使用していただいています。このワイングラスこそ、ドメーヌ・タカヒコのパフォーマンスを最高に表現できているとお話しされているのですが、ワイナリーにまとまった人数が訪れたときのオペレーションを考えるとむずかしいことがあるようです。いっぽう、『PINO』は小回りが利くグラスで、ワイナリーを訪れた方向けのテイスティンググラスとして実用的であることから、重宝されているとおっしゃっていました。個人的には機能性はもちろん、洗練されたデザインもポイントだと思っています。ちなみに、『PINO』を使用してくださっているほかのワイナリーもありますし、寿司店や焼鳥店、和食店などカウンターでお料理を提供する飲食店さまにも反響が大きく、今供給が追いついていない状況です。」

ナチュールワインに使えるワイングラス

ドメーヌ・タカヒコと共同開発されたワイングラス『PINO』。

そう聞くと、ピノ・ノワールに特化したワイングラスだとイメージされる方も多いかもしれません。

しかし、『PINO』はピノ・ノワールに特化したワイングラスではないそうです。

白水「『PINO』は、自由度の高いワイングラスとお伝えしました。ちなみに、ネーミングからピノ・ノワール用というイメージを持たれる方も多いかもしれません。では、ボウルの形を見てください。じつは、このワイングラスはピノ・ノワールから着想したのではないんです。ぷっくりとした可愛らしいボウルの形状、どことなく松ぼっくりの形のように見えませんか?この『PINO』という名前なのですが、じつはイタリア語の 「pigna(ピーニャ)」をもじって私が名前をつけました。なので、ピノ・ノワールだけを楽しむグラスというわけでありません。例えば、ナチュールワイン、中でもタンニンが多いタイプ以外の薄ウマ系をおすすめしています。ナチュールワインは、ブドウ品種にフォーカスするというより、生産者によって個性がさまざまです。品種特性を引き出すワイングラスはありますが、ナチュールワインのような自由度の高いワインの個性を出すうえでは、『PINO』の存在は大きいと思っています。」

よい意味で、“方向性が画一化されていない”ナチュールワインは、どのワイングラスを選ぶかが、むずかしいところ。

そのため、カウンターで使えるワイングラスという需要だけではなく、ナチュールワインを提供する飲食店さまからも、『PINO』が注目されているようです。

さらに『PINO』は、ワインだけではなく、ビールや日本酒、水出しコーヒー、カクテルなど、香りを楽しむ飲料におすすめのグラスとのこと。

業界のトップランナーが手を取り合って作り上げた、自由度の高いワイングラス。

『PINO』は、ワインファン必携のワイングラスとなりそうです。

ワイングラスを知る

ワインの魅力を引き出す役割を担う、ワイングラス。

日々、当たり前のように使用している方も多いはずです。

知っているようで知らなかったワイングラスの知識について、白水さんにお聞きしてみました。

ワイングラスは、ワインにスポットライトを当てるツール

白水「ワインは、香りを楽しむお酒です。嗅覚が味わいのほとんどを担うと言われていることからも、香りがしっかりと取れるワイングラスを選んでください。また、ワイングラスは、“薄くあるべき”だと考えています。」

ワイングラスを選ぶとき、とくに薄さにこだわる必要があるようです。

白水「ビールジョッキをイメージされると分かりやすいと思うのですが、分厚いグラスは安定感があるいっぽうで、その存在感ばかりに意識が向いてしまわないでしょうか。私たちは、ワイングラスをあくまでワインにスポットライトを当てる、“ツール”と考えており、黒子に徹するべきだと考えています。グラスが唇に触れた瞬間、その存在は意識されず、ワインが純粋に楽しめることが大切です。」

ワイングラスを選ぶ

いざ、ワイングラスを購入しようと考えたとき、どれをどのように選ぶべきか悩んでしまう方も多いはずです。

ワイングラスの正しい選び方のポイントについて白水さんにお聞きしました。

白水「例えば、私たちのブランド『リーデル』は、お客さまに“どんなワインを飲まれますか?”という質問から入るところが特徴です。赤がお好きであれば白は外される、赤の中でも重たいものは苦手となればカベルネ系は減らされる、ピノ・ノワールが選択肢となれば、そのお客さまはピノテイストのワインを普段多くお飲みになると考えます。お客さまがよく飲まれるワインがおいしく飲めることが重要ですので、ワイングラスもそれに合わせたものをご提案するというかたちですね。」

ワイングラスもワイン同様にあくまで嗜好品であり、自分が何を重要視するのかで選ぶことが大切とのことです。

ちなみに、ワインに詳しい方は自分で選べるかもしれませんが、あまりワインに詳しくない方にはハードルが高そうなイメージです。

白水「お客さまで最も多いのが、“ワインは好きだけどグラスは詳しくない”というお客さまです。リーデルでは、代表的なブドウ品種からつくられる4種のワインを異なるグラスで飲み比べる『ベーシック・コース』などのワークショップを開催しています。グラスが変われば、ワインも変わる。そんな体験をしていただくことで、好みのワイングラスを探し出し、お持ち帰りいただけるような内容ですので、ぜひ参加してみてください。」

『PINO』は、日本ワインにとって理想的なワイングラス

今回、紹介した『PINO』はピノというネーミング、またドメーヌ・タカヒコのイメージから、“ピノ・ノワール”をイメージしますが、ピノ・ノワールには縛られないワイングラスだと白水さんは言います。

白水「ピノ・ノワールも、『PINO』のセールスポイントのひとつです。ただし、スペルを見ていただくとわかるのですが、ピノ・ノワールの“PINOT”のTを付けていません。さまざまな意味がありますが、覚えやすくピノ・ノワールだけには縛られない自由なワイングラスとして認識していただけると嬉しいです。」

また、白水さんいわく、繊細さと各ワイナリーの個性が際立つ日本ワインも、『PINO』がおすすめとのことです。

白水「今、日本ワインを生産するワイナリーは500場を超えました。日本ワインのように個性もさまざまで繊細でうまみを感じるワインには『PINO』がおすすめです。アルコール度数も海外産ワインと比較するとそれほど高くないため、大きなグラスでなくても問題ありません。貴彦さんにも、日本ワインを応援したいという想いが強くあります。ぜひ、日本ワインを愛飲されている方は、『PINO』をお試しください。」

参考

https://www.riedel.co.jp/

『PINO』
https://restaurant.riedel.co.jp/products/detail.php?product_id=10029

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