世界が認める日本ワインを生み出す広島県三次市のワイナリー、「ヴィノーブルヴィンヤード アンド ワイナリー(Vinoble Vineyard & Winery)※(ヴィノーブルヴィンヤード)」。

同ワイナリーのオーナー横町崇氏が生み出すワインは世界のワイン銘醸地でつくられるワインを凌駕する品質と注目されており、IWSC2022(インターナショナル・ワイン・スピリッツ・コンペティション2022)では、「Sauvignon Blanc 2021」が金賞を獲得し大きな話題となりました。

その品質に絶大な信頼が寄せられているヴィノーブルヴィンヤードですが、なんとワインの女王【貴腐ワイン】での新たな金賞獲得を目指すとのこと。

先日、同ワイナリーはその夢を叶えるためのクラウドファンディングをスタートさせました。

世界が注目するワイナリーの新たな挑戦とは。

詳細についてお伝えしていきましょう。

ヴィノーブルヴィンヤード、横町崇氏について

ヴィノーブルヴィンヤードは、横町崇氏が広島県三次市のワイナリー。

横町崇氏が2021年8月にオープンさせたワイナリーで、自社で栽培から醸造を一貫して行っています。

オーナーの横町氏は、「三次ワイナリー」や「勝沼醸造」などで研鑽を積み上げた後、醸造コンサルティングとして活躍、さらにブドウの苗木販売会社「ラグフェイズ」の専務取締役も務めるなど多方面で活躍する人物です。

ヴィノーブルヴィンヤードの名が世界に知れ渡ったきっかけが2022年に開催された、ワインコンクールIWSC2022でした。

同ワイナリーの「Sauvignon Blanc 2021」がなんと金賞を受賞。

95点という点数を獲得したのはヴィノーブルヴィンヤードとニュージーランドのマルボロのワイナリーの2社のみだったことからも、大きな話題となりました。

グランヴァンを好まれる方に飲んでほしい、ライバルはシャンパーニュやブルゴーニュなどと語る横町氏。

醸造技術の高さもちろんですが、ブドウ栽培へのこだわりも世界レベルと話題です。

同氏は自他共に認めるクローンマニアで、ピノ・ノワールやソーヴィニヨン・ブランなどさまざまなクローンを栽培し、それぞれの個性に合わせたワインを仕込みます。

日本ワイン.jpでは、過去に横町氏の人物像やブドウ栽培やワインづくりへの想い、受賞当時の気持ちなどインタビューしていますので、下記記事もぜひチェックしてみてください。

広島県三次市から世界一のソーヴィニヨン・ブランが誕生!〜Vinoble Vineyard〜

 

世界が驚くクオリティ!ヴィノーブルヴィンヤード横町崇氏インタビュー

 

貴腐ワインへの挑戦

今回、ヴィノーブルヴィンヤードの横町氏が目指すのは貴腐ワインでの金賞獲得。

貴腐ワインとは、貴腐菌(ボトリティス・シネレア)と呼ばれる菌が付着した糖度の高いブドウ(貴腐ブドウ)を原料として作られる甘口ワインで、ボルドーのソーテルヌやドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」、ハンガリーの「トカイ・アスー」が世界三大貴腐ワインとして知られています。

貴腐ワインは希少価値が高いワインとして知られていますが、その理由は貴腐ブドウが収穫できることすら奇跡であること、また1本のワインをつくるために貴腐ブドウを大量に仕込む必要があること、醸造が大変困難であることなどが挙げられます。

そもそも貴腐ブドウ自体が自然条件が整わなければ収穫することは不可能であるため、“貴腐ワインをつくってみよう”と気軽な気持ちで挑戦できるようなワインではありません。

ソーヴィニヨン・ブランをはじめ、世界ですでに名声を得ているヴィノーブルヴィンヤードが、なぜ貴腐ワインに挑戦するのか、その想いをお伝えしましょう。

広島・備北の風土を活かす

広島県三次市は備北地域に位置しており、極度の盆地の形状であるため放射冷却の影響を受けやすいと言われています。

三次市中央部で馬洗川、西城川、可愛川という3本の川が合流して江の川となり日本海へ流れていっており、各河川の温度差があるため霧が頻繁に発生する特異な環境。

三次市は、貴腐ワインに適した日本でも大変珍しい栽培環境なのです。

地元の自然と一体となり、愛情を込めて育てたブドウから、この土地ならではの物語を詰め込んだ特別なワイン造りに情熱を注ぐ横町氏。

小学生の頃、秋になると霧の中を歩いて登校していた同氏は、当時とても寒く、川から立ち上がる霧を見て暖かそうだなぁ…と思っていたのを思い出すとのこと。

この風土を活かして貴腐ワインをつくりたい、そんな強い想いが横町氏にはあります。

セミヨン種の収穫量を増やし世界を目指す

貴腐ワインの原料となる貴腐ブドウは極度に水分が抜けていき乾燥していくため、収穫量が通常の葡萄に比べて約3分の1まで減少します。

さらに搾汁を行うと果汁の量も3分の1まで減ってしまうため、市場に流通させるためには貴腐ブドウの収穫量を増やすしかありません。

同ワイナリーの貴腐ワインの生産量は、2022年30リットル、2023年70リットルと極少量。

そのため、今回畑の拡張を行い、貴腐ワインとして使用するセミヨン種の収穫量を増やそうと決意したとのことです。

セミヨンは貴腐ワインに使用されている世界的にも有名なブドウ品種で、ソーテルヌ最高峰の貴腐ワインを生み出すシャトーディケムでもセミヨンを主体に貴腐ワインが造られています。

ヴィノーブルヴィンヤードのセミヨンからは、貴腐ワインのほかにスパークリングや樽熟成が醸造されており、その中でもセミヨンスパークリングは2023年5月に行われたG7広島サミットの首脳夫人のディナーにおいて乾杯酒として採用されるなど実績を持つほどの品質です。

しかし、同ワイナリーのセミヨンの栽培面積は現在20aであり、全てを貴腐ワインにするのは経営的にリスクが高く、生産を拡大するには栽培面積の増加が不可欠とのこと。

世界を目指す貴腐ワインづくりにとって、セミヨンの栽培面積拡大は急務と言えるでしょう。

リターンについて

実施中のクラウドファンディングのリターンを一部下記にまとめました。

  • Sauvignon Blanc 2024
  • Semillon Sparkling 2023
  • Chardonnay & Pinot Noir Sparkling 2021
  • Pinot Noir 2023
  • オリジナルTシャツやステッカーなど

詳しくはクラウドファンディングページをご覧ください。

世界を凌駕する貴腐ワインを目指して!

IWSC2022で世界最高得点のソーヴィニヨン・ブランを生み出したヴィノーブルヴィンヤード。

次なる目標は、「貴腐ワインでの金賞」です。

横町氏は、このプロジェクトを支援者と共に実現し、世界へ羽ばたくワインを日本の誇りにしていきたいと考えているとのこと。

日本ワインの未来が大きく変わるかもしれない、今回の挑戦。

ぜひ、興味のある方はクラウドファンディングページを確認してみてください。

参考

https://camp-fire.jp/projects/796035/view?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTEAAR3CTkOSYKF2FgyzivkpAPwM6wRP8w-EcXIoB9Gn1ZYz1AOITIX0YlfXPHs_aem_e-JJNFj5C-KrZU361DZ3NA