2021年のワイナリーオープン後ほどなくして、ソーヴィニヨン・ブランがIWSCにて世界一(GOLD95点)に輝いたことで、一躍有名となった広島県三次市のヴィノーブルヴィンヤード
その後も、国内の人気のみならず、数々のワインが海外のコンクールでも高い評価を受けています。
最近では、G7広島サミット2023のパートナーズプログラムのディナーにおいて、乾杯ワインとしてセミヨンスパークリングが採用されたことでも話題となりました。

そうしたことから、横町氏のワインはタイミングによっては極めて入手困難な場合もあります。
なぜ、新しいワイナリーが短期間でそのような評価を受け、人気を誇るのか。
今回、ヴィノーブルヴィンヤード代表であり、栽培家・醸造家の横町崇(よこまちたかし)氏にインタビューいたしました。
ヴィノーブルヴィンヤードのワインファンのみなさま、必見です!

ヴィノーブルヴィンヤード横町崇氏インタビュー

クローンへのこだわり

実は横町氏は、ブドウの苗木販売会社ラグフェイズの専務取締役も務める苗木のプロフェッショナルです。
ラグフェイズでは、クローン名の特定されたクリーンな苗木の販売を行なっており、全国のワイナリーにはここから旅立っていったワイン用ブドウが多く存在します。

そのため横町氏の畑で、「こちらの畑はなんですか?」と伺うと、「こちらから、MV6、Abel、ucd5・・・」と、品種ではなく、クローンで答えが返ってきます。
そう、彼は自他共に認めるクローンマニアなのです。
ピノ・ノワールのクローン”Abel”などはご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
そのAbelを全国に増やすために植えられたのは、実はこのヴィノーブルヴィンヤードだったそうです。
さらに、”NZ MS“(ソーヴィニヨン・ブランのクローンの一種)を増やすなど、それまでクローンの概念が乏しかったソーヴィニヨン・ブランについても、日本にその概念をもたらしました。

動画内で、小さく粒がぎゅっとしてるので栽培が難しいけれど芳香が素晴らしいと紹介されていたオーストラリア原産のピノ・ノワールのクローン”Mv6”は、現在単独でのキュヴェも眠っているそう。
リリースが楽しみですね。

ヴィノーブルヴィンヤードの目指すワイン

インタビューの中で、横町氏は、クリーンで品種の特性を表したワイン造りを心がけていると話されます。
そのための重要なポイントは、やはり”ブドウ”。
ワインは100%ブドウの良し悪しが反映されるため、とにかく健全で品質の良いブドウを栽培することにこだわっているそうです。
その”こだわり”がクローンレベルから!ということですから、ワインラバーからはもちろん、業界での注目度が高いのも納得です。

もちろんその他にも、土づくりや雨の多い日本においての栽培の工夫、醸造技術や知識など、上質なワインを生み出すために必要な要素は多岐に渡るそうで、横町氏はそれらを良く研究し、自分なりに組み立てていく努力を真摯に行なっています。
そうしたことで、銘醸地の上質なワインを知る飲み手たちにも”ハレの日のワイン”として選ばれるワインが造られていくのでしょう。

多くの深いこだわりをもって造られているヴィノーブルヴィンヤードのワイン。
なんとライバルは、シャンパーニュやブルゴーニュだそう。
世界の名だたる銘醸地のグランヴァンを好まれる方!ぜひお試しになってはいかがでしょう。
そのお手並み、拝見してみようではありませんか。

現在の年間生産量は約13,000本。入手困難ですから、見つけたらぜひ入手してみてください。
きっと、横町氏のワインによって、日本ワインのクオリティに驚かされることでしょう。