世界各国で数多くの店舗を展開するコーヒーチェーンのひとつ、スターバックス。

提供されているコーヒーの品質の高さはもちろん、豊富なメニュー、居心地の良さ、店員(パートナー)たちのフレンドリーな接客など、毎日通いたくなる「サードプレイス」として多くの人たちに愛されている場所です。

スターバックスのイメージと言えば「コーヒー」や「ティー」ですが、日本ワインも提供されていることをご存知でしょうか。

さらに、そのワインは日本ワインファンから絶大な支持を得ている北海道余市町の「平川ワイナリー」によるもの。

スターバックスがなぜ平川ワイナリーを取り扱うのか、そもそも日本ワインを取り扱う意味とは。

今回、スターバックスコーヒージャパン株式会社 ビバレッジ開発担当 石村正樹(いしむら まさき)さんにスターバックスが平川ワイナリー、そして日本ワインを取り扱う理由をお聞きしました。

後編では、「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」(以下ロースタリー)の3階「ARRIVIAMO™ BAR(以下アリビアーモ バー)」で提供されている平川ワイナリーのワインを使用したカクテルについてや、ワインファンにおすすめのコーヒーなどをお聞きしています。

平川ワイナリーのワインをベースにしたカクテルについて

「アリビアーモ バー」では、平川ワイナリーのワインをベースにしたカクテルが提供されていますが、平川ワイナリーによる商品の取り扱いをスタートさせた当初、カクテルは提供していなかったそうです。

石村「平川氏のワインをカクテルとして利用することは、センシティブな部分でした。生産者さまの情熱とこだわりが注ぎ込まれたワインをカクテルにする。酒販店の方にも相談したほどです。

そのため、平川氏のワインのお取り扱いをスタートした当初はカクテルとして提供はしていませんでした。しかし、この素晴らしいワインをスターバックスらしくカクテルとして提供したいという強い思いがあり、平川氏にご相談することにしました。

我々のカクテル作りは、例えばそのコーヒーの魅力を最大限に引き出し輝かせるという手段として提供しています。

ワインはそのままでもおいしいお酒ですが、その魅力を最大限カクテルとして引き出したい、そのようにご相談した結果、ご快諾いただけました。」

現在、「アリビアーモ バー」で提供されている平川ワイナリーのワインがベースとなったカクテルは2種類。

白ワイン「ブラン ド ヨイチ キュベ ガストロノミック シンフォニー ジャスミン」

ロゼワイン「ロゼ ド ヨイチ キュベ ガストロノミック シンフォニー ライムエード」

石村「今回、バーテンダーに、平川氏のワインと相性の良いスターバックスのコーヒーやティーを選定してもらい、平川ワイナリーの魅力とスターバックスの魅力が響きあうように開発してもらいました。

まず、白ワインベースのカクテルには<ティバーナ™ ジャスミン ドラゴン パール>を使用しています。ブラン ・ド ・ヨイチの繊細な香り、その奥にあるフローラルな香りから着想を得たレシピです。

次にロゼワインベースのカクテルですが、<ティバーナ™ ラズベリー ライムエード>を使用しています。バルサミコ酢をブレンドした鮮烈な酸を感じさせるハーブティーとロゼ・ド・ヨイチのミネラル感が見事に調和した味わいです。

カクテルは単品でも十分にお楽しみいただけるのですが、ぜひプリンチのパンと合わせていただきたいですね。」

また、カクテルを楽しむ際のおすすめのシチュエーションは平川氏本人より提案があったそうです。

石村「平川氏にカクテルを飲んでいただいたとき、“暑くもなく寒くもない季節”に飲んでほしいというご提案をいただきました。

例えば、春や秋でしょうか。ロースタリーには素晴らしいテラスがあるので、この季節の午前中か夕方の時間帯。時間をかけながら、ゆったりと飲んでもらうといったシチュエーションをおすすめいただきました。」

実際に完成したカクテルを飲んだ平川氏も、その味わいに満足したとのこと。

あらためて今、平川氏はスターバックスが生み出したカクテルに何を思うのでしょうか。

平川「農業者にとって、ワインという農産物的価値の表現は、瓶詰めをもって完成を迎えますが、このカクテルはその延長線上にあります。

ワインの礎に、スターバックス様の想いや、余市の自然環境の解釈や尊重が、このカクテルの付加価値として表現されています。ワインの味わいだけでは達成できない、農業者の私自身が求めたいと思うようなこと。

自然を映し出したワインに、昇華された思考が加わった味わいの世界を、唯一無二のアリビアーモ バーの空間でお楽しみください。」

ワインファンにおすすめしたいコーヒー豆

ワインカクテルも魅力的ですが、スターバックスを訪れたらコーヒーも飲みたくなるところ。

石村さんに、ワインファンにおすすめしたいスターバックスのコーヒー豆を紹介いただきました。

  • ライトボディ派の方へ

・ガメイやマスカット・ベーリーA、軽快なピノ・ノワールなど

石村「ライトボディのワインがお好きな方向けのコーヒー豆なら、<ブレックファースト ブレンド>や<ライトノートブレンド>がおすすめです。浅煎りですっきりと飲めるため、ライトボディがお好みの方にご満足いただけると思います。」

  • ミディアムボディ派の方へ

・メルローやボリュームのあるピノ・ノワール、ツヴァイゲルト、サンジョヴェーゼなど

石村「ミディアムボディであれば、<ハウス ブレンド>はいかがでしょうか。バランスの取れたコーヒーですので、重たすぎず軽すぎないワインがお好きな方に好んでいただけると思います。」

  • フルボディ派の方へ

・カベルネ・ソーヴィニヨンやテンプラニーリョ、パワフルなシラー、ジンファンデルなど

石村「フルボディのようにパワフルなワインがお好きな方であれば、<スマトラ>や<コモド ドラゴン ブレンド>がおすすめです。どっしりと大地を感じるような香りがするタイプなので、満足感を得られると思います。」

スターバックスに立ち寄った際、ご自身のワインの好みに合わせてコーヒー豆を選んでみてもおもしろいのではないでしょうか。

スターバックスらしく日本ワインを伝える

コーヒーやティーだけではなく、日本ワインの魅力も発信するスターバックス。

ワインを専門とする業態ではないスターバックスでは、これからどのように日本ワインを伝えていくのでしょうか。

石村「私の年齢が40代前半なのですが、私がお酒を飲めるようになった頃から日本ワインが流通し始めたような気がしています。

日本ワインは今や世界に誇れる素晴らしい品質のものが数多くありますが、当時は価格と品質がイコールとは言いにくいものも多かったかもしれません。そして、日本ワインについて、今もその当時のイメージを持たれている方が多いのが実情ではないでしょうか。

日本ワインそのものはもちろん、カクテルなどを通じて“日本ワインの素晴らしさ”を、スターバックスとして発信し続けていきたいと考えています。

私たちの重要なミッションのひとつに、“生産者さま”の支援があるのですが、日本ワインの認知拡大はもちろん、生産者さまたちのこれからの発展の一助になれたら嬉しいと感じています。」

「アリビアーモ バー」では、平川ワイナリーのワインをご存知のお客さまがカクテルを頼まれることが多いようですが、バーテンダーからご紹介いただいて購入されるお客さまも多いとのこと。

平川ワイナリーのワインを「アリビアーモ バー」の空間でカクテルとして、さらにプリンチのパンとペアリングにして楽しむ。

スターバックスだからこそできる、新しい日本ワインの伝え方ではないでしょうか。

日本ワインを知る体験をスターバックスらしく提供し、そしてそのフィルターを通して、多くの方が日本ワインの魅力に触れる。

この機会に、「アリビアーモ バー」に足を運んでみてはいかがでしょうか。

参考

お話をお聞きした方

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 ビバレッジ開発担当 石村正樹(いしむら まさき)

ビバレッジ開発担当 20192月入社

STARBUCKS RESERVE® ROASTERY TOKYO

アリビアーモ バー (ARRIVIAMO™ BAR

北海道余市 平川ワイナリー