今やコンビニエンスストアでも手に入るようになってきた、日本ワイン。

数年前と比較すると、日本ワインを購入するハードルは格段に下がっています。

一方、日本ワイン自体の種類やワイナリー、情報発信するサイトが増えていることから、“結局どんな日本ワインを選べば良いかわからない”といった声を多く聞くようになりました。

そんな時、役立てたいのがお酒のプロフェッショナルである「酒屋」です。

本記事では、日本ワインファンに知ってほしい注目の酒屋を紹介。

今回は、“日本のお酒に特化した地酒専門店”である「酒商山田 西武池袋店」にお邪魔しました。

魅力的な日本ワインとの出会いを求めている方に、ぜひチェックしてほしい酒屋です。

お話をお聞きした方

株式会社 酒商山田 専務取締役 首都圏事業部西武池袋店 店長 山田佳徳さん

酒商山田について

酒商山田は、広島県広島市に本店を構える老舗の酒屋。

日本酒や焼酎、日本ワイン、ジャパニーズウイスキー、日本産のビールなど、「日本で生み出される酒」を取り扱うプロフェッショナルです。

「酒商山田は日本のお酒をテーマに、“日本の酒の美味しさと造り手の想い”を共に伝えている専門店です。西武池袋店で揃えているお酒も全て日本産のお酒になります。」

酒商山田は山田さんの曽祖父が1931年に広島市で創業したお店で、当時は港が近かったことから食料品やお酒を納品する船舶食料品納入業を営んでいたそうです。

その後、現社長である山田淳仁氏が家業に戻り、日本のお酒に特化した酒屋として歩みが始まったといいます。

「当初、日本酒の取り扱いから始めたそうですが、当時人気の蔵元とは取引が出来ず、知られていない小さな酒蔵の日本酒を扱うとの方針に変え、時間をかけながら取り組んできました。さらに、ディスカウントストアの台頭や吟醸酒ブーム、大手酒造の酒が売れる時代だったことから、一筋縄ではいかなかったとも聞いています。」

しかし決して腐ることがなかった現社長の山田氏。

1件1件、1歩1歩、着実に取引先との信頼関係を築き上げることで、今では多くの取引先と取引できるようになったそうです。

そして数年前に本社にとあるスタッフが入社してきたことをきっかけに、日本ワインにも注力を開始。

酒商山田に揃えられている日本ワインは、全てワイナリーとの強い信頼関係から仕入れられているものばかりです。

「酒商山田 西武池袋店」について

「酒商山田 西武池袋店」がオープンしたのは、2022年。

酒商山田にとって、初の県外進出となる店舗です。

「西武池袋店への出店ですが、本当にたまたまご縁があったとしか言いようがないんですよね。さまざまなお話がある中で、酒商山田の考え方を西武さんに尊重してもらったかたちで出店できたといった感じです。」

店舗設計については広島の店舗と圧倒的に異なる点はないそうですが、取り扱うお酒のラインナップにはこだわっているそう。

「本来、この規模感の店舗であれば厳選したお酒だけを、空間を上手に使いながら見せるような設計が良いのかもしれません。しかし、私たちが大切にしている取引先さまのお酒をできるだけ多く並べたい、そして少しでも多くのお客さまに個性のあるお酒と出会ってほしい。そんな想いから、売り場をコンパクトな中にも凝縮したラインナップで展開しています。」

「酒商山田 西武池袋店」には、7、800種類のお酒が揃えられているとのこと。

もちろん全て日本産のお酒で、ワインも赤・白・ロゼ・スパークリングなど常時200種類が取り揃えられています。

「日本ワインにおいても、シーズンや私どもが紹介したいと思っているワイナリーの商品を増やすいなど、都度ラインナップを変化させています。いつ訪れても新しい日本ワインとの出会いが楽しめると思います。」

ちなみに、「酒商山田 西武池袋店」で働くスタッフたちは全員大のお酒好き。

「同店のスタッフはお酒に対しての愛、情熱を持っている人ばかりです。また、日本酒であれば『J.S.A. SAKE DIPLOMA』や焼酎であれば『焼酎唎酒師』などを取得していますし、お酒についてどんな質問にでもお答えすることができます。日本ワインにおいても知識豊富なスタッフばかりですので、気軽に質問していただければと思います。」

酒商山田が日本ワインにこだわるワケ

酒商山田というと、日本酒に強い酒屋をイメージする方も中にはいるかもしれません。

そんな酒商山田が、日本ワインにこだわる理由とは何なのでしょうか。

「数年前に本社に入社してきたスタッフが、“日本のお酒をテーマにしているのであれば、ワインも日本に特化すべきではないか”といった意見がきっかけです。それまでワインに関しては、“海外産ワインを取り扱うのが当たり前”といった固定観念がありました。しかし、“日本のお酒を突き詰めていく”といった想いから、ワインも国産。日本ワインにたどり着いたといったかたちです。」

日本にも100年以上の歴史を持つワイナリーも多く、それだけ日本固有、土着の文化がある証拠と山田さんは語ります。

「日本で信念を持ってワイン造りをしている人たちに焦点を当てなければならない。私たち、酒商山田という会社のミッションを考えても、日本ワインに取り組まないという選択肢はありませんでした。」

そんな中、気になるのは酒商山田が取り扱う日本ワインのラインナップです。

「まず、酒屋としてきちんとした品質のものを正確な情報と共にお客さまに提供するのは必須条件です。そんな中で、タイムリーに正確な情報をいただけるワイナリー様とは信頼し合えるパートナーになりたいと考えています。また、“和酒専門店”といった立場からも、ワインを通して表現したい個性がはっきりとしたワインを取り扱いたいと考えています。また、醸造家さんやヴィンテージによって差異があるものの、毎年安定した品質のワインを提供いただけるワイナリーさんとは取引を進めていますね。」

数ある日本ワインの中でも、酒商山田では個性がしっかりとしているワイナリーと取引をしたいと考えているとのこと。

またテイスティングして美味しいワインだから取り扱うわけではなく、大切なのはワイナリーの、“想い”だといいます。

「栽培や醸造技術の進歩によって日本ワインもどんどん美味しくなっていますし、これからも美味しいワインは増えてくると思います。だからこそ、“味”だけで判断すると間違ってしまう可能性もあるんです。私たちは味だけでなく、そのワイナリーや人が“どういった想いでワインを造っているか”を重要視しています。店舗で試飲会なども行っていますが、その中で生産者の想いや考え方、思想哲学などから興味をもらい、それと共にワインを味わってもらいたいと思っています。」

まとめ

日本のお酒に特化する中で、日本ワインも取り扱う酒商山田。

いたずらに品数を増やしているのではなく、健全かつ生産者の想いがしっかりと感じられるものだけをラインナップしているといったところに感銘を受けました。

後半では、そんな店長 山田佳徳さんがおすすめする日本ワインを3つ紹介します。

参考

https://sake-japan.jp/