Rue de Vin(リュードヴァン)、フランス語で「ワイン通り」を意味するこちらのワイナリー。

<美味しいソーヴィニヨン・ブランが飲みたい!>という時に思い浮かべるワインのひとつ、という方も多いのではないでしょうか。それもそのはずです。

こちらは、数年前に伝説のソーヴィニヨン・ブランをお造りになって一躍有名となった小山英明氏が経営するワイナリーです。

今回は、そのソーヴィニヨン・ブランの美味しさの理由や、未来に向けての取り組みなどをお伺いしてきました。

ソーヴィニヨン・ブランの美味しさの理由

代表の小山英明氏が、この地でワイナリーを始めたのが2006年。
それ以前は「あづみアップル」にて醸造長を務められていましたが、その際にお造りになったソーヴィニヨン・ブランが爆発的な人気となりました。

当時について「ブドウ自体が本当に素晴らしかった。逆にこれでワイン造っていいの?と思うほど(笑)」と語られます。安曇野池田町の農家さんたちが栽培するブドウが本当によい品質で驚いたとのこと。

そして、その美味しさが評判になると、今度はブドウ栽培農家さんたちが「自分達のブドウに日の目を見させてくれて、世の中で光を当ててくれてありがとう」と、彼らも小山氏への想いをお伝えになったそう。

現在の小山氏の作るソーヴィニヨン・ブランのブドウは、その時の農家さんが最後にくれたブドウの枝を、毎年大事に増やしてきたものだそうです。美味しいのも納得ですね!

ぜひ飲みたい!こだわりのスパークリングワイン

また、美味しいワインはソーヴィニヨン・ブランだけではありません。
シャンパーニュ製法のヴァンムスーにもこだわりがあります。

「美味しいシャンパーニュ製法のスパークリングワインを造るには、いかにリザーブワインを持つかが重要」と小山氏は語ります。しかし、新規参入したワイナリーです。キャッシュフローの観点からもリザーブワインを持つということはそう簡単なことではないでしょう。

ワイナリーを立ち上げてまだ4年目の2010年は、不作の年だったそう。
「赤ワインは全部ダメだった。唯一できたのはシャルドネのみ。」
なんとそれを全てリザーブワインにするという、思い切ったご判断をなさったのです。

「それはもう爪に火を灯して我慢してきましたよ(笑)」と笑って仰られますが、そのような強いこだわりをもって造られたヴァンムスーはやはり評判となり、現在はすでに完売です。新しいリリースに期待ですね!

また、そのヴァンムスー造りで培われた技術により生まれたのが、「巨峰スパークリング」「ポワレ」「シードル」など。こちらも大変人気です。

御堂圃場への期待

小山氏の車に乗せていただき、畑のご案内もしていただきました。

2006年から少しずつ開墾してきた畑は、6.5ha。
そして、2020年から御堂とよばれるエリア5.3haにソーヴィニヨン・ブランとピノグリを定植されました。

今年で3年目となる御堂地区の畑は、青々とブドウの葉が育ち、標高830mからの眺望は素晴らしく、小山氏の描く「豊かなくらし」がまさしく眼に浮かぶようでした。

この御堂エリアには新しいワイナリーも着工予定です。
「大きなテーブルで食べて飲んで豊かな暮らしが実現できるような、そういう暮らしの中で手に取りやすいワインを作りたい。」と語る小山氏の未来を形成していく、10年スパンの大規模プロジェクトです。

さらにはチーズ工房なんかもできるかもしれません。今後、ますます目が離せないワイナリーのひとつですね。