上野駅から一時間弱、茨城県牛久市に面白いワイナリーがあるとのことで、お邪魔してきました。
東京から近いワイナリーといえば、山梨県を思い浮かべますが、実はここ茨城県牛久も気軽に足を運べる距離にある
ワイナリーです。

「麦と葡萄 牛久醸造場」は、その名のとおりビールとワインの両方を造っている醸造場です。

代表であり醸造家の角井智行さんは、大学でバイオを学んだ後、シャトーカミヤ(現牛久シャトー)
を経営する合同酒精株式会社にて、医薬品などの研究をされていましたが、
やはり大好きなビールの醸造がしたいと希望され、醸造の仕事に就いたそうです。
また佐野理恵さんも同じく牛久シャトーにてワイン造りを学ばれた後、角井さんの牛久醸造場にジョインされたそうです。

そんな角井さん、佐野さんが運営する牛久醸造場、特徴をご紹介していきたいと思います。

ビール用のタンクやケグもワインに利用!

醸造所内には、ワイン用ビール用両方のタンクがありますが、なんとビール用のタンクにもワインが入ってます!
実は、ビール用のタンクは圧力がかけられるので、酵母が出す炭酸ガスをビールタンクで閉じ込めることができ、
ナチュラルなカーボネーションが実現できるということです。
こちらのタンク内二次発酵(シャルマ方式)にて造ったペティヤンはとても人気があるそうです。

茨城県大子町といえば、アップルパイやリンゴジュースの他、りんご風呂まで、全身でりんごを楽しむほどの
有名なりんご産地ですが、その大子町のりんごを使ったシードルがこちらでも造られているそうです。

また、きめ細やかな温度管理、発酵、貯蔵において細かく温度設定が可能だったり、下が窄まっている形状から、
澱引きなどの作業効率が高いというメリットも。
普通のワインタンクではできないような小技が利かせられるというわけです。

また、ビール醸造らしくケグもたくさん。
こちらはワインの貯蔵にも使っているそうです。
ステンレスなのでクリーンに管理ができることや、なにより完全に満了にできるため空気に触れずに貯蔵可能。
貯蔵段階から小分けしてあるので、このまま飲食店さんに出荷も可能。

また、ビール造りにもワイン醸造のメリットが活かされています。
出来上がったシードルや白ワインを原料に、IPAとブレンドして造ったクラフトビールは、
大変人気で、すぐ売り切れてしまったほどです。

クラフトビールがテイスティングできる!

醸造場内のショップでは、常時約10種類のクラフトビールが飲めるようになっています
また、専用のタンブラーやペットボトルに量り売りの形式で購入可能。
じっくりとテイスティングして、自分好みのビールを見つけることができるのは嬉しいですね。

牛久の地に合うブドウ品種を探る!

常陸秋そば畑に囲まれた圃場には、様々な品種のブドウが栽培されています。
茨城県牛久市は、朝晩の気温差が少なく比較的過ごしやすい土地です。
ただ、ブドウにとってはどうでしょう。中には酸が垂れてしまう品種もあるかもしれない。
そうしたことを慎重に考え、すでに牛久醸造場で人気のメルローやシャルドネの他にも、プテイヴェルドやタナ、
プティマンサンなど、多くの品種の栽培にチャレンジし、この牛久の地に適した品種を探っています。

そしてブドウを植えて3年目となる今年、初めて収穫作業が行われ、
2023年には、いよいよ自社農園でのブドウで造ったワインがリリースされるということです!!
これは楽しみですね。

茨城を味わう!「エピヌ」シリーズ

牛久醸造場のシンボルマークであるばらの花つぼみを「エピヌ」といいます。
エピヌとは、フランス語で「棘」(いばら)という意味。
また、茨城県の県花は薔薇です。
そうしたことから、茨城県産のブドウを使ったワインを「エピヌ」と名づけているそうです。
茨城県のワインを楽しもう!という場合、ぜひこの「エピヌ」を目印にお探しになるのも良いでしょう。

ワイン派もビール派の方もどちらも好きな方も、みんなが楽しめる牛久醸造場。
東京からのアクセスも良好です。
お出かけになってみてはいかがでしょうか。

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