前半では、アサヒビール株式会社の水谷さんに、『JAPAN CIDRE』についてお聞きしました。

後半では、ニッカ シードルの歴史やシードルにおける現状についてお聞きしています。

お話をお聞きした方

アサヒビール株式会社・新ブランド開発部・水谷由布さん

ニッカ シードルの歴史

近年、日本国内でも国産りんごを使用したクラフトシードルが多く生産されるようになっています。

 

その中でも、国産シードルのパイオニアといえるのがニッカウヰスキーが製造する『ニッカ シードル』です。

「ニッカ シードル」の歴史は、1953年に青森県の弘前市にあった酒造メーカーの吉井さんという方が、ヨーロッパに行ってシードルの製造技術を持ち帰ってきたことに始まります。その後、1954年に当時の朝日麦酒株式会社(現アサヒビール株式会社)が吉井酒造と連携し、朝日シードル株式会社を設立し、シードルづくりをスタートさせました。そして、1956年に『アサヒ シードル』を発売。これが、日本で最初に販売されたシードルだといわれています。」

日本のシードルづくりの根幹は、アサヒビールから。近年、シードルファンになった方は意外に知らなかったのではないでしょうか。

「その後の1960年に、りんご加工に造詣が深かった、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝に事業内容の引継ぎが依頼され、シードルづくりの拠点である弘前工場が誕生しました。そして、1969年にその事業をニッカウヰスキーが引き継ぎ、1972年に『ニッカ シードル』が発売されたといった歴史があります。」

ちなみに、ニッカ シードルの定番商品といえばドライ、スイート、ロゼがメインですが、『JAPAN CIDRE』のような、“赤いシードル”は、今から30年以上前からすでに研究が重ねられていたとのこと。

『JAPAN CIDRE』は、長くシードルづくりを牽引してきたニッカ シードルを代表する1本として、これから多くの人たちに愛されていくのではないでしょうか。

ニッカ シードルと『JAPAN CIDRE』の違い

『JAPAN CIDRE』は、従来のニッカ シードルとは少し立ち位置が違うシードルです。

その違いについてお聞きしてみました。

「『JAPAN CIDRE』は、もともと“シードルの価値を高めたい”といった理由から挑戦した商品なんです。ワインの場合、日常からハレの日まで幅広いシーンで楽しまれている分、“良いもの”といったイメージを持っています。もちろん、シードルも素晴らしいお酒ですが、多くのスーパーのお酒売場ではカジュアルな価格のものしかラインナップされていません。つまり、どうしても“特別な日にシードル”といった選択肢になりにくい。そこで、希少なりんごを使っている、味わいもラベルデザインにもこだわる、“プレミアムなシードル”として『JAPAN CIDRE』を登場させました。」

普段使いはニッカ シードル、そして特別な日(もちろん日常的にも)は『JAPAN CIDRE』といった形で、シードルを使い分けられるのは魅力的です。

国産シードル人気について

近年、シードル人気が高まっている印象です。

その理由などについてお聞きしました。

「家飲み需要の関係か、ニッカ シードルも多くのお客さまに選ばれるようになったといった肌感があります。恐らくですが、自宅での飲酒量が増える中、“低アルコール&ポリフェノール含有”といった観点から、健康意識の高いお客さまがシードルをチョイスしているのかもしれません。また、シードルは微発泡のスパークリングなので、ちょっとしたプチ贅沢感も味わえるところも人気の理由かもしれません。」

また、日本ワインファンの中にも国産シードルに興味を持つ方が増えており、国産シードルのみを集めたユニークなイベントなども見かけることが多くなりました。

日本ワインファンにもシードルが選ばれている理由はどこなのか、その共通点にもついてもお聞きしました。

「ニッカ シードルにもいえることですが、“クラフトシードル”に注目が集まっていると感じています。日本ワインとは、丁寧に栽培された日本産の果物を100%使用しているところ、良いお酒を飲んでいるといった感覚、そして繊細な味わいを楽しめるといった部分が共通しているのではないでしょうか。ニッカ シードルも、100%国内産のりんごを使用していますし、果汁ではなく果実を搾るところからつくっています。このクラフト感が、日本ワインファンの方にも共感していただけるポイントになっていると感じています。」

シードル人気が高まる一方で、課題もあるとのこと。

「日本ワインファンの方のように、その価値を理解していただけている飲み手の方はまだ少ないと感じています。例えば、シードルは未だ、“お酒が強くない人の飲み物”とか“若い女性のお酒”といった印象が強い。りんごもワイン同様に樹を植えてから収穫までは3年以上かかりますし、そうして収穫されたりんごを時間をかけて発酵・熟成してつくられるお酒がシードルです。この、“クラフティな醸造酒”といった部分が広がることで、シードルも“自然で良いお酒”といったイメージに変わってくると考えています。今後、ニッカ シードルとしても、シードル文化を広げるためにいろいろと考えていきたいです。」

『ジャパンシードル』を楽しもう!

「『JAPAN CIDRE』は、華やかな真っ赤な液色をしたプレミアムシードルです。シュワシュワした炭酸のスパークリングで、気分が上がること間違いありません。ちょっとした日常を、ハレの日に。そして、特別な日にも『JAPAN CIDRE』で乾杯してください。」と、水谷さん。

『JAPAN CIDRE』は、2020年にEC業態と東北エリアで発売されていましたが、2021年は東日本エリアに拡大し、2022年からは全国発売となりました。

ぜひ、この機会に真っ赤なシードル『JAPAN CIDRE』を手に取ってみてはいかがでしょうか。

商品詳細

『ニッカ JAPAN CIDREジャパンシードル』
https://www.asahibeer.co.jp/japancidre/