写真:奥利根ワイナリー(群馬県)

奥利根ワイナリー

(群馬県)

1991年、群馬県沼田市で創業した奥利根ワイナリー。
良質の環境を求め、2000年に冷涼気候の昭和村赤城高原をワインづくりの地としました。
見晴らしの良い山の斜面には垣根(コルドン)の仕立て、ワイナリー&ヴィンヤードの風景、そんな赤城高原という素晴らしいロケーションの自然感をテイストで感じていただける・・・そんなワインづくりを常に目指してきました。
小規模ワイナリーならではの特徴を活かし、造り手の個性を表現した最高のワインを皆様にお届けします。

ワイナリー情報

ワイナリー名
奥利根ワイナリー
代表者名
松原 寿樹
住所
群馬県利根郡昭和村大字糸井字大日向6843
電話番号
0278-50-3070
URL
http://oze.co.jp/
MAIL
okutone@oze.co.jp
営業時間
9:00~17:00
定休日
木曜・年末年始
見学の可否
可能。
扱いブドウ品種
カベルネ・ソービニヨン、メルロー、ピノ・ノアール、シャルドネ、ジンファンデル、ション・ベルガー

ワイナリー取材記

松原寿樹(醸造責任者)

-ワイナリー設立までの経緯を教えていただけますか

松原 大体、ワインやろうという人は面白い人が多いのですけど(笑)会長(オーナー:井瀬 賢氏)は結婚を機に脱サラして、奥さんの実家がある沼田市に引っ越してきて酒販店をやることになりました。何かに特化しなければならないということで地酒に力を入れたそうです。その時、このあたりは地酒の蔵は4つあるけれど、ワイナリーは無いことに気づいたんですね。特にこのあたりはリンゴの産地だったのでリンゴを使ったフルーツワインはできないか。そこからはじまりました。あっさりしたいい味わいのワインになったのですが、バラエティに乏しいので、海外から原料を買ってワインを造るようになりました。

 

-松原さんはどのタイミングで参加されたんですか?

松原 私はここに苗を植え始めた2002年です。

 

-当時はこの場所ではなく?

松原 はい。沼田市内で酒屋と一緒にワイナリーをやっていました。ブドウ畑が周辺の景色にないので当時からお客さんに「このブドウはどこで獲れたの?」と聞かれていたんです。正直に「アメリカのワシントン州です」とか言ってたんですけど、それじゃあやっぱりつまらないってことで2000年にここの畑を買いました。もともとリンゴ農園だったので広い土地がつながってあったということがここのメリットでした。このあたり、まったく農地が空いていないんです。レタスとかキャベツとか、朝の2時から収穫して首都圏に運ぶといった農業がされている場所です。ここはリンゴ農園が終わって20年くらいほったらかしにされていた場所を2年かけて開墾して、2002年からブドウの植え付けが行われました。2001年に私がここを見に来た時に「これを日本でやる人がいる」というのが信じられなくて「すごいですね~」と感動していたら、そこの畑の小高いモミの木のところで会長にガシッと肩を抱かれて「一緒にやんねえか!」と口説かれました(笑)

 

僕はそれまで山梨のワイン会社にいました。1999年にアメリカ西海岸のワイナリーツアーに参加した時に会長と出会いました。僕は山梨にいましたが出身が山梨ではなかったので言ってみればどこにでもいける。会長はそういう人を探していたらしく捕まっちゃいました(笑)

 

-ここの場所、土壌に適しているのは何だとお考えですか

松原 シャルドネですね。ここらへん地酒の蔵が4つあるんですけど、皆さんシャルドネがいいよ!っておっしゃってくれます。ただ、赤のほうが需要があるので畑の7割くらいは赤が占めています。ただカベルネが枯れた時にシャルドネに植え替えたのは、やはりシャルドネに向いた土地だという思いがあったからです。ここは榛名山の噴火の時にできた火山灰土壌になります。野菜の栽培には向いている土壌ですね。黒ボク土が50センチくらいあって、その下50センチが硅石の層があります。表面が採られて硅石の部分が浮いている箇所などは硅石が乱反射して光りの当たり具合が面白くなったりします。ここは傾斜地なので水はけは良いです。一日の気温差もしっかりとあります。雨量は年間1100ミリ。そこは勝沼とあまり変わりありません。

 

-ピノは難しくないですか?

松原 難しいです。ピノは2016年に関していえば、赤仕込みでやりましたが色がロゼになってしまいました。ただ色の割には味わいはしっかりとしている。だからとても面白いですね。ピノの名産地・オレゴンには定期的に訪問していますがピノはこれからもオレゴンに通って探求していきたいです。「こういう問題を抱えているんだ」と話すと彼等がいろんなアドバイスをくれるんです。彼等は同じピノノワールの生産者なんですけど、同じところで合宿してワインメーカー同士で問題について話し合うんです。僕も参加させてもらいましたけど、すごいなと。ひとつのワインの問題の解決策をみんなで話し合っている。こんな業界は他にはありませんね。普通は他を蹴落とそうとするもんです。それをみんなで良くなっていこうとしている。オレゴンのワインメーカーは素晴らしいです。

 

-醸造のこだわりの部分はありますか

松原 ひとりの起業家が起ち上げたワイナリーでスポンサーがいるわけでもないので最新の醸造設備というわけではありません。手作業であることが多いわけですが、なるべくポンプを使わないように醸造しています。

 

-目標はありますか

松原 目標というよりはここであがってきた原料。この原料が見せてくれる表現、それをいかに引き出すかってことを大事にしています。例えばシャルドネ。夏場、ここを渡ってくる涼やかな風とか、今ちょうど咲いていますけどアカシアとか、そういうものをブドウ自体が表現してくれるんです。メルローだったら、夏場ここを照らす太陽の光。そういうものを壊さないように表現したいですね。

 

 

奥利根ワイナリーのワインが買えるお店一覧

小林酒店 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢758 0267-42-3555
SAKE SHOP SATO 大阪府豊中市岡町南3-5-10 06-6855-1903

 

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