写真:カタシモワイナリー(大阪府)

カタシモワイナリー

(大阪府)

100年畑・大阪のワイン

ワイナリー情報

ワイナリー名
カタシモワイナリー
住所
大阪府柏原市太平寺2丁目9番14号
電話番号
072-971-6334
URL
https://www.kashiwara-wine.com/
MAIL
kingselby@kashiwara-wine.com
見学の可否

ワイナリー取材記

髙井利洋(代表取締役)インタビュー



世界中でワインが造られていますが日本のワインがこういうものだという確立がまだされていないと思っています。
「シャネルの5番」と「箪笥を開けた時の樟脳の香り」この違いのようなもののワインを造りたいのです。
こういうものが日本のワインなんだというものを確立しないといつまでも欧米ワインの二番煎じになってしまう。
日本の文化を表現できるような香り、果実味をどうやったら出せるかチャレンジしています。
川上善兵衛さんも頑張ってくれましたが葡萄を1万種類作って、マスカット・べーリーA、べーリーアリカント、ブラッククイーンの3種類しか残っていません。
それと明治11年新宿御苑から大阪の藤井寺市にあった農業試験場に移植された堅下本葡萄(甲州)これらによって「日本ワインはこれだ」というものができると期待しています。

日本の風土にあって、オリジナリティ(独創性)のあるものを造りたいというのが我々のポリシーです。

一般消費者を大切にしてきました。
ただ昔は1日に1000枚ほど工場見学の案内チラシを撒いても、返ってくるのは一人か二人でした。それでもずっと一般消費者に向けてアピールをしていました。
そして結果的に消費者が認知してくれて、いろいろなマスコミでも取り上げられるようになった。
そしてその理由は何かと言えば「ワインがおいしいから」ではありませんでした。
ようは我々が取り組んでいる、この町を残したい。葡萄畑を残したい。という地域の宝物、財産、文化になりたいという意識が一人歩きした結果です。

今、39種類の葡萄を植えていますがほとんどが独自で交配した葡萄になっていくだろうと思っています。
ここにしかない葡萄でワインを造りたいからです。

ヨーロッパの気候でと言い出すと北海道か長野県の標高600~800メートルの産地くらいしかありません。
それを覆すには地の葡萄でやっていくしかないと思っています。
栽培に適した場所に移り住んでやるのではなく、この先祖代々の土地でいかにやっていくか。
そこがめちゃくちゃ面白い。

不可能と思われるところでやっていくのが人間のやることだと僕は思っています。
しんどいかもしれないけれど、そっちを私は選びました。


Q.大阪、関西、西日本、各ワイナリー協会等を起ち上げられてる理由は?



国を動かしたいからです。
農業政策、国税のあり方、これらを考えてもらおうと思ったら一致団結しないといけません。
そして、そこには大手を入れずに小さな力だけでやっていきたい。
大手は大きな力と戦うことをしない。長いものに巻かれようとする。それではダメ。
個が集まる力がいちばん強いと思っています。

将来、人口は減ってきて、国土が余っていきます。そこでやらなければならないのは農業。
それも世界にない農業。シャインマスカットや巨峰などが世界に流出してしまっています。
それらを止めてちゃんとしてもらうために、我々の小さな声でも届くように存在感を高めていきたい。

競争している場合ではない、協調して生き残っていくことを考えていかないと。
そのために情報共有しなければということで65社、西日本のワイナリーをまとめてやっと完成して動き出しました。
大阪ワイナリー協会では「大阪GI」を取ろうと考えています。

いつも動きのある、何か起こるであろうという期待感のある会社でいたい。
祖父の掛け軸には「なにくそ」と書いてあります(笑)

ここ(※インタビュー場所であるワイナリー内の展示ルーム)はパワースポット。
悩んでいる時にここにきて「先祖ができたんだから、俺にもできる」と元気をもらう。
どうやっていいか分からないから動く。とにかく動く。動いていたらアイディアが降ってくる。

タコシャンができたのもそう、グラッパができたのもそうでした。
「まず動け、動いたら答えが分かる」それが先祖から教えてもらったことです。