日本ワインファンから注目されている産地のひとつ、鳥取県。

古くからブドウが栽培されていたことでも知られており、今では日本を代表するワイン産地のひとつへと成長を遂げています。

そんな鳥取県はらっきょうの一大産地としても有名で、中でも、“鳥取県産の生らっきょう”は今の時期しか食べられない超レアな逸品です。

じつは今、東京新橋にあるアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」の2階ビストロ・カフェ「ももてなし家」にて、鳥取産らっきょうと鳥取ワインのペアリングを楽しめる期間限定のフェアが開催されています。

日本ワインファンにもぜひ訪れて欲しい、今しか楽しめない同フェアの魅力をお伝えしていきましょう。

今しか楽しめない!鳥取産らっきょう・ワインを楽しめるグルメフェア

現在、「ももてなし家」で開催されている企画が、「シャキっと!鳥取らっきょうグルメフェア~心満たすワインとのハーモニー~」。

今回、同フェアや鳥取県産らっきょう、ワインについて鳥取県東京本部の大塚杏未さんと鳥羽理恵さんにお聞きしました。

「鳥取県産の生らっきょうの旬は、5月下旬から6月中下旬頃まで。毎年その時期に合わせてフェアを開催しています。和食や中華、スイーツと趣向を凝らして展開しているのですが、『ももてなし家』のスタッフの方でワインにお詳しい方がいらっしゃるということもあり、今年は、“ワインとのペアリング”をテーマに鳥取県産の生らっきょうをおしゃれな洋食にアレンジしたメニューを開発していただきました。」

らっきょうと聞くとカレーの付け合わせのイメージが強い上に、それ以外の料理に使う、そもそも生で食べたことがない方も多いかもしれません。

「首都圏の方は、らっきょうを料理に使うことや生らっきょうに馴染みのない方が多いと思います。今回、馴染みのない方にも利用していただきやすいようにアレンジし、さらにワインとペアリングを楽しんでいただけるようなメニューを開発いたしました。」

フェアは6月2日(月)から始まっていますが、とくに女性のお客さまがアレンジメニューとワインを楽しまれているのだとか。

らっきょうに期待されている血液サラサラ効果、においも少なくシャキッと食べられる生らっきょうの味わいが選ばれている理由ではないかとのことです。

鳥取県産らっきょうの特徴とは?

鳥取県産らっきょうには、どのような特徴があるのでしょうか。

鳥取県産らっきょうの特徴、そして生は今だけの味!

「鳥取県といえば、鳥取砂丘です。鳥取県のらっきょうは砂丘地で育てられているのですが、砂丘地は栄養素が少なく水はけが良い土壌になります。土壌に栄養素や水分が多いとらっきょうの外皮と内皮のバランスが悪くなり、食感が悪くなってしまうんです。その点、砂丘地で育つ鳥取県産らっきょうは薄く均一な層に仕上がるため、シャキッとした食感になります。」

また、栄養素の多い土壌の場合はらっきょうの色が黄色っぽくなってしまうようですが、鳥取県産らっきょうは色白で見た目も美しいといった特徴があるようです。

「今回フェアでお出ししているのは、鳥取県産の生らっきょうです。生らっきょうは5月下旬から6月中旬から下旬頃までが旬で、本当に今の時期しか食べられません。生らっきょうで甘酢漬けや塩漬けを作ることもありますが、例えば今回フェアでお出ししているピザなどは生らっきょうをそのまま焼き、さらにその上から、“追い生らっきょう”といったかたちで使用しています。」

生らっきょうを漬け込めば長く楽しめるものの、やはり生を楽しむなら今しかないそう。

出荷が終われば終了とのことなので、最悪6月の中旬まで出回るかどうかという、本当に貴重な食材とのことです。

鳥取ワインは地域愛溢れるワイン

今回、鳥取県産らっきょうとのペアリングが楽しめるのが、鳥取ワイン。

鳥取県には数は多くないものの、真面目なワインづくりを行う生産者が多く点在するエリアで、品質の高さから日本ワインファンからも支持を獲得しています。

「鳥取県のワインと言えば、昔ながらのワイナリーとして『北条ワイン』さんがとても有名です。らっきょうと同様に砂丘地でブドウが栽培されており、水はけの良さはもちろん昼夜の温度差が大きいという特徴から質の高いブドウが収穫できます。また、海が近いということでミネラル感たっぷりなブドウ・ワインです。」

歴史あるワイナリーを有する鳥取県ですが、新たなワイナリーも注目を集めています。

「2007年に鳥取県の東、山側に位置する国府町に『兎ッ兎ファーム』が創業しました。もともとブドウ栽培をされていたのですが耕作放棄地を利用してワイン用ブドウ栽培を始め、2016年に「兎ッ兎ワイナリー」を設立し、さらに翌年2017年より本格的にワインの自家醸造を開始しています。多品種のブドウを栽培されているのはもちろん、地域振興も積極的に行っている新興ワイナリーさんです。」

一方、鳥取県はほか有名ワイン産地のように新しいワイナリーが続々と誕生しているわけではありません。

「鳥取県は、それぞれのワイナリーが地域の特産品をつくろう、地域を盛り上げようといった情熱を持つ生産者さんが多いと感じています。例えば地域おこし協力隊の方も加わり、地域の方と一緒になって地域の課題解決に向けた取り組みや商品のブラッシュアップさせるなど、“今ある、この地域のワインを盛り上げていきたい”といった気概を持って取り組まれている印象ですね。」

鳥取県が生み出す、“鳥取ならではのワイン”を守り、そして進化させ続ける、地域を大切にしたワインづくりが行われているのが鳥取ワインの特徴なのかもしれません。

鳥取県産らっきょうと鳥取ワインおすすめのペアリング

「シャキっと!鳥取らっきょうグルメフェア~心満たすワインとのハーモニー~」で楽しめる、鳥取県産らっきょうと鳥取ワインのペアリング。

実際に店舗で楽しめるおすすめの組み合わせを、ももてなし家の店長 木津真之介さんにお聞きしました。

らっきょうとクリームチーズのクラッカー×兎ッ兎ワイナリー「シャルドネ2024」

「兎ッ兎ワイナリーさんの、『シャルドネ2024』はどのワインにも合わせても合うため悩みましたが、クラッカーとチーズ、らっきょうピクルスのこちらの料理が抜群でした。料理とワイン、両方が活きる組み合わせだと思います。」

『シャルドネ2024』の持つ柑橘系のアロマとフレッシュな酸味は、らっきょうとクリームチーズのクラッカーとピッタリ。

チーズの爽やかさとらっきょうの瑞々しさ、そこにレモンをかけたような完璧なバランスのペアリングを楽しめます。

★らっきょうとクリームチーズのクラッカー (900円税込み)
★兎ッ兎ワイナリー「シャルドネ2024」1,500円

砂丘らっきょうのピクルス×北条ワイン「地図ラベル 白」

「鳥取県産の生らっきょうを、やや塩味を効かせたピクルスに仕上げました。こちらには、北条ワインさんの『地図ラベル 白』が良く合います。」

砂丘らっきょうのピクルスのシャクシャクとした食感と北条ワイン「地図ラベル 白」のミネラルやシャープな酸から感じられるしっかりとしたテクスチャーのバランスが良。

砂丘らっきょうの塩味がワインの果実味を引き立てる、バランスの良いペアリングです。

★砂丘らっきょうのピクルス (700円税込み)
★北条ワイン「地図ラベル 白」800円

砂丘らっきょうのピッザ×倉吉ワイナリー「伯州 シャルドネ 2023」

「砂丘らっきょうのピッザは、シャキシャキとした生らっきょうとクセが少ない焼きらっきょうをトッピングしたピザ。倉吉ワイナリーさんの『伯州 シャルドネ 2023』は独特の風味が特徴で、ピザやチーズに負けない力強さがあります。」

クセのない砂丘らっきょうとシンプルなピザ、チーズの旨味と甘み、食感が楽しめる一皿です。

倉吉ワイナリー「伯州 シャルドネ 2023」は、杏のような核果類の風味とまろやかな口当たり、それでいてフレッシュかつミネラル感を楽しめる1本。

ピザ生地とチーズの強さとバランスが良く、ワインのシャープな酸味と砂丘らっきょうのさわやかな風味が後味でマッチします。

★砂丘らっきょうのピッザ (1,300円税込み)
★倉吉ワイナリー「伯州 シャルドネ 2023」1,300円

らっきょうと鳥取和牛のローストビーフのクラッカー×大山ワイナリー「メルロー2015」

「鳥取県が誇る特産品『鳥取和牛』とらっきょうを使用した贅沢な一皿。それに合わせる大山ワイナリー『メルロー』は特別なワインで、今回のイベントで完全販売終了となりワインですので、ぜひこの機会にこちらのペアリングを楽しんでいただきたいです。」

上質な脂と牛肉の旨味をダイレクトに味わえる鳥取和牛と大山ワイナリー「メルロー2015」は理想的なペアリング。

大山ワイナリー「メルロー2015」自体、ブラックベリーやブラックチェリーなど果実味がしっかりと感じられながら、口当たりはまろやかで複雑な風味、驚くほどシルキーなタンニンを味わえる素晴らしい品質です。

メルローがもたらすハーブのような緑のニュアンスがさわやかならっきょうの風味とマッチ、テクスチャーもしっかりと感じられるワインなのでらっきょうの食感とも相性良く楽しめます。

★らっきょうと鳥取和牛のローストビーフのクラッカー (1,800円税込み)
★大山ワイナリー「メルロー2015」1,000円

ちなみに、上記メニューのほかには、「砂丘らっきょうのアヒージョ(900円税込み)」も提供されており、兎ッ兎ワイナリー「ヤマブラン2024(1,300円円税込み)」とのペアリングがおすすめされていました。

今しか味わえないペアリングを体験!

「今しか味わうことができない鳥取県産の生らっきょうの美味しさを、ぜひ体験してください。そして、鳥取ワインとのペアリングを通じて、鳥取の味を思う存分楽しんでいただけると嬉しいです。」と、木津店長。

ちなみに、「ももてなし家」の位置する、「とっとり・おかやま新橋館」1Fでは鳥取県産らっきょうや鳥取ワインを販売しているため、そちらもチェックしてみてください。

日本ワインを楽しむ上で、料理とのペアリングは欠かすことができません。

さらにその土地で生まれた食材とワインの、“郷土ペアリング”こそワインペアリングの醍醐味です。

「シャキっと!鳥取らっきょうグルメフェア~心満たすワインとのハーモニー~」の開催期間は、6月中旬頃までとのことで生らっきょうがなくなり次第終了。

この時期だけの極上ワインペアリングを、ぜひ体験しに「ももてなし家」へ訪れてみてはいかがでしょうか。

参考

「とっとり・おかやま新橋館」概要

住所 :東京都港区新橋一丁目11番7号 新橋センタープレイス

電話番号:1階ショップ 03-6280-6474

     2階ビストロ・カフェ「ももてなし家」 03-6280-6475

営業時間: 1階 10:00~21:00

      2階 11:00~21:30(L.O.21:00)

※営業時間は変更となる場合があります。最新情報は公式HPをご確認ください。

公式HP :https://www.torioka.com/