ワイン生産量全国で第三位の北海道。ワイナリー数は、現在66軒にまで増加しています。
ここ数年の人気は、ワインラバーなら誰もが知るところでしょう。

NPO法人ワインクラスター北海道代表理事を務める阿部眞久(あべまさひさ)氏による、北海道産ワインの”いま”を知ることができるセミナーが開催されました。

気候および品種の変遷

北海道の品種といえば、寒冷地らしいドイツ系品種を思い浮かべる方も多いでしょう。
バッカス、ミュラートゥルガウ、ケルナー、セイベル・・・しかしながら、ご存じのとおりの温暖化は北海道も例外ではありません。
ワインベルトは変化し北緯44度までワインがつくれるようになってきていますし、余市町における積算温度の変化もとくに2000年以降は顕著です。
また、東西で雪の量も違ってくるため、エリアごとに力を入れる品種やワインのタイプも違っています。

全体としては、最近はドイツ系白品種からフランス系白品種(シャルドネやソーヴィニヨンブラン)へのシフトする動きも出てきています。
赤に関しては、ツヴァイゲルト・レーベが安定的な実績をあげている他、耐寒性品種の独自開発も力をいれています。(山幸・清舞・ふらの2号)

温暖化を見据え、シラーの商品化やスペイン系品種の導入なども始まっているそうです。
また、ローカル品種(旅路・山幸)の個性やストーリー性などのPRをするところもあります。

定着しつつあるPIWIs

ピーヴィーと読み、近年注目されていています。
ドイツ語の「Pilzwiderstandsfähige Rebsorten」の略で、日本語では「真菌耐性葡萄品種」を意味します。

病原菌に対する強い耐性を持つアメリカ系やアジア系のブドウ樹と、ヨーロッパのブドウ樹(ヴィティス・ヴィニフェラ種)を複数回交配させて育種された交配品種であり、特徴としては、うどんこ病やべと病、灰色かび病などのブドウの病気に対する耐性を持っています。

そのため、農薬散布量をなんと8割程度も減らせるメリットがあり、さらには人件費などのコスト削減や地球環境への配慮など、持続可能なワイン造りの一助として、大きな期待が寄せられている品種です。

北海道では、このPIWIsの取り組みに力を入れるところも出てきています。

「日本ワインコンクール2024」での北海道産ワインの快挙

近年、日本ワインコンクールで金賞を受賞するワインが出てくるなど、全体的にレベルが向上しています。
今年は、コンクール20年目ということで、最高賞となる「グランドゴールド」が設けられました。
北海道の欧州系白がこのグランドゴールド(全国で2つのうち1つ)、金賞が6つ受賞しました。

【グランドゴールド】

ドメーヌレゾン/中富良野ソーヴィニヨンブラン2023

【ゴールド】

北海道ワイン/田崎ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン 2022 
北海道ワイン/北島ヴィンヤード ~No.7~ ケルナー 2020 
北海道ワイン/余市ハーベスト ケルナー スペシャルキュヴェ 2021 

千歳ワイナリー/北ワインケルナー レイトハーベスト 2021
千歳ワイナリー/北ワインケルナー辛口 2023

宝水ワイナリー/RICCAシャルドネ2023

ここで買えます!日本ワインコンクール受賞ワイン


日本ワインコンクール2024 受賞ワイン

ますます進化する最近の北海道産ワイン、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。