ワイン業界が力を入れるべき施策のひとつが、ワインツーリズムだと言われています。
そのワインが生まれている場所でしか感じられない空気感やストーリー、ワイン以外の楽しみを提供することで、“新しいワインファン”獲得につながるとのことです。
先日、阪急交通社が酒蔵やワイナリーなどで人気の都道府県ランキングを発表。
お酒目的で旅行をする方は、どの都道府県を選んでいたのかお伝えします。
お酒好きに選ばれている旅行先はどこ?
今回、阪急交通社が行ったアンケート内容がこちら。
【調査概要】
調査内容:お酒関連の施設を目的(酒造、ワイナリー、ブルワリー、蒸溜所)とした旅行で行ってみたい都道府県
有効回答数:560名
調査期間:2026/8/18~2026/8/24
調査機関:株式会社ジャストシステム(「Fastask」利用)
調査対象:全国、20代以上の男女
調査手法:Webアンケート
日本には約1,500軒の酒蔵と、約500軒のワイナリーが存在しており、なかには見学や試飲が可能な施設もあるため旅行の行き先として選ばれることも多いようです。
都道府県ごとに、つくられているお酒の特徴に違いが見られるところが旅行者にとって興味深いところ。
どの都道府県が、お酒好きに選ばれたのでしょうか。
1位 北海道

1位は、北海道。
近年、高品質なワインを生産するワイン銘醸地としても知られるようになった北海道は、ワイン目的で訪れる方が増えているようです。
ワイナリーも、2026年2月時点で75軒と急増中で、カルト的な人気を博す「ドメーヌ・タカヒコ」から北海道民に愛される「十勝ワイン」など幅広い特徴を持つワイナリーが点在します。
ホテルやレストランを併設するNIKI Hills Wineryやヨーロッパの古城に似ていることから「ワイン城」とも呼ばれる池田町ブドウ・ブドウ酒研究所など、観光客も大歓迎となっている個性的なワイナリーは、とくに人気が高いようです。
2位 山梨県

ワイナリー巡りといえば、山梨県。
都心からもアクセスしやすく、試飲や見学ができるワイナリーめぐりを目的に国内外から観光客が訪れます。
甲州市勝沼には、現存する日本最古のワイナリーのまるき葡萄酒、日本初の民間ワイン会社をルーツとするシャトー・メルシャン勝沼ワイナリー、県内最大級の生産量となるマンズワイン 勝沼ワイナリーなど、名だたるワイナリーが勢ぞろい。
愛好家は新進気鋭、または知る人ぞ知るワイナリーに顔を出せますし、普段ワインを飲まない方向けの気軽に参加できるツアーも多数用意されています。
また、ジャパニーズウイスキーファンに絶大な支持を得ているサントリー白州蒸溜所も人気です。
3位 長野県

長野県も、お酒目当ての旅行先として人気です。
ワインファンには、東御市・上田市・小諸市・高山村エリアの千曲川ワインバレーを巡るツアーが人気ですが、北信濃ワインバレー列車などワインを絡めた企画も多く展開され人気を博しています。
一方、長野と言えば日本酒ということで、酒造めぐりを目的にした観光客も多いとのこと。
駅から近くて試飲や見学ができる酒蔵も多数あるため、ふらっと立ち寄れる気軽さが魅力です。
4位 新潟県

「八海山」や「久保田」、「越乃寒梅」など、超有名銘柄が多数生み出されている新潟県。
日本酒の消費量も酒蔵の数も日本一であること、新潟全酒蔵の代表銘柄をコイン制で試飲できる「ぽんしゅ館」があるなど日本酒好きにはたまらない施設も多数あるようです。
ワイン目的で新潟県を訪れる方も多く、滞在できるワイナリーとして有名な
カーブドッチは旅の拠点としても利用されています。
このためだけに新潟県を訪れるファンもいるなど、日本におけるワインツーリズムのお手本と言っても過言ではないでしょう。
5位 青森県

ワイナリーも近年、少しずつ増えてきている青森県。
日本一の生産量を誇るりんごを使った「シードル(発泡性りんご酒)」を求めてやってくる観光客も多いのだとか。
青森駅近くのA-FACTORYでは、ガラス越しにシードルの醸造工程の見学や試飲、買い物が楽しめるほかに、弘前市や八戸市など、地域ごとに個性豊かな酒蔵やシードル工房が点在しており、シードル文化を広めるうえで重要な拠点となっています。
もちろん、八戸酒造など有名な酒蔵も点在しているため、お酒好き大満足の旅が楽しめるでしょう。
6位 京都府

京都府は、「月桂冠」や「黄桜」、「玉乃光」といった有名銘柄の本社がある、関西地方でも重要な酒どころです。
スタイリッシュなブルワリーも増えていますが、ワインファンの多くは丹波ワインを目的に旅行を楽しんでいるとか。
丹波ワインの農園やワイナリーに併設されたブドウ畑が一望できるレストランはとくに人気が高く、府内のホテルなどとコラボしたイベントも積極的に行っています。
また、京都ワイナリー 四条河原町醸造など街中でワインをつくるユニークな施設も近年話題です。
7位 秋田県

「美酒王国」とも称される、日本酒で有名な秋田県。
山本酒造店は、酒蔵の敷地内にLABO and CAFE YAMAMOTOがあり、ピエール・エルメ・パリの限定マカロンとともに、ここでしか飲めないお酒もあるとのこと。
知名度はまだ低いものの、高い品質でワインを醸す小規模生産者も多いため、知られていないワインを探している方にもおすすめの旅行先ではないでしょうか。
8位 山形県

「十四代」や「出羽桜(でわざくら)」、「くどき上手」など、プレミアムな地酒を産出する日本酒の聖地、山形県。
全国で初めて都道府県単位・日本酒の分野での「GI(地理的表示)」指定を受けたことで知られていますが、2021年にはワインもGI指定になっています。
GI山形認定のワイナリーは、タケダワイナリー、朝日町ワイン、高畠ワイナリー、月山ワイン山ぶどう研究所、グレープリパブリック、酒井ワイナリー、天童ワインなどで、ワイナリー巡りにも適した旅行先です。
9位 宮城県

「特定名称酒」の製造比率が9割という、日本酒づくりが盛んな宮城県。
ニッカウヰスキー仙台 宮城峡蒸溜所は国内外から観光客が訪れる人気の観光地ですが、ワイン視点で見ると秋保温泉郷に位置する秋保ワイナリーが人気。
ワイナリー見学や料理を楽しめるため足繁く通うファンも多いようです。
了美ヴィンヤード&ワイナリーや南三陸ワイナリー、ファットリア・アル・フィオーレなど個性豊かなワイナリーが増えているため、ワイナリー巡りもおすすめ。
とくに、南三陸ワイナリーは海の幸に合うワインを提供するなど、食事とのペアリングも存分に楽しめるワイナリーとして人気です。
10位(同率) 岩手県

「南部美人」や「AKABU」、「あさ開」など、国内外で高く評価される銘柄を揃える、岩手県。
日本酒好きから支持されている旅行先ですが、ワイナリー数も多くワインツーリズムも楽しめます。
とくに花巻市には多くのワイナリーが点在しており、エーデルワインや高橋葡萄園、アールペイザンワイナリーなどワイン通からも評価の高いワイナリーばかりです。
日本ワインの一大産地として成長しそうな岩手県は、ワイン好きなら必ず知っておきたいエリアではないでしょうか。
10位(同率) 鹿児島県

焼酎文化を世界に発信する、鹿児島県。
「森伊蔵」や「魔王」、「村尾」といった入手困難なプレミア焼酎をはじめ、「さつま白波」や「黒伊佐錦」など親しまれている銘柄が豊富です。
焼酎好きにはたまらないエリアですが、じつはワイナリーも増えています。
花瀬ワイナリー、朝陽ワイナリーはとくに質の高いワインを醸していることで知られており、焼酎ではなくワインを目的とした旅もおもしろいかもしれません。
旅×ワインを楽しむ!
温泉、グルメ、有名観光地を楽しむために旅行される方も多いでしょう。
お酒好きとすれば、せっかくその土地を訪れたのだから、その土地ならではのお酒を飲みたいと思うはず。
ランキング1位の北海道、2位の山梨県はワインの銘醸地であり、ワイナリー巡りはお酒好きが旅行先に選びやすい要素だということがわかります。
ワインを軸としたツアーが充実しているだけで、そのエリアを旅行先に選ぼうと考える方も多いのかもしれません。
ワインの質を高めることはもちろん、個性とストーリー、そして観光客を呼び込むツアー企画などが日本ワインを盛り上げるポイントになってきそうです。
参考
株式会社阪急交通社 https://www.hankyu-travel.com/
リリース https://blog.hankyu-travel.com/newsrelease/2026/09/sake-brewery-tour.php

