【北海道から夏のトピックス】
皆さま、初めまして!
札幌在住、道産ワイン応援団と銘打った活動も16年目に突入の荒井早百合と申します。
北海道からぶどう畑、ワイン造りのレポートをお送りさせて頂きます。
北海道の葡萄のサイクルは他のエリアから見るとほぼ、一か月ほどズレています。
最近はちょっとそのサイクルも変わってきていますが・・・。
5月に萌芽を迎え、暖かくなるにつれてどんどん枝も雑草も伸びていきます。
春からの忙しい葡萄畑作業のスタートです。
そして葡萄の開花。
皆さんはぶどうの花を見た事はありますか?
花びらが無く、まるで線香花火のようです。
この季節の葡萄畑にはとても良い香りが漂います。
葡萄の皆さんはこの開花時期には雨が降らない事を願います。
花びらがない分、結実しないというリスクが多いからです。
葡萄の開花アップ開花が過ぎると結実を迎えます。
結実を終えた葡萄は少しづつ膨らみ葡萄らしくなってきます。
結実がしっかりする事で今年の収穫量が決まってくるのでとても大切な時期です。
そして、その間にも葡萄のお世話は続きます。
皆さんが思い描く畑になっている葡萄は下を向いているこんな感じですよね。
実は、葡萄は最初は上を向いているのです。
知ってました?
だんだん膨らんで葡萄らしく?なってくると重みで下に垂れ下がるのです。
そして、今、まさに北海道の葡萄達は「ヴェレゾン」を迎えだしました。
この季節限定のカラフルな葡萄が見られるほんのわずかな時間です。
葡萄らしく、そして収穫までの間、まだカチカチの葡萄が美味しい葡萄に育っていきます。
今年はまだカチカチの時から灰カビなどの病気が出ています。
北海道では無かった病気や虫が毎年、出る様になってきたのは湿度の高さと言えるでしょう。
他のエリアの湿度の比ではないですが、北海道にとっては以前とは違うものすごい湿度なのです。
以前は湿度系の病気とは無縁の北海道でしたが、この先は様々なエリアの情報が必須になりました。
そんな中、今月も66件目のワイナリーが誕生しました。
エリアも北海道中に広がり、良い葡萄が出来るエリアもどんどん広がっています。
10年後には3桁に到達するのは間違いない感じになってきました。
「ド・モンティーユ&北海道」レポート
北海道のワイナリーは日本で一番、バラエティに富んだ様々なワイナリーがあるのかもしれません。
その一つ、先月、開所式のあった「ド・モンティーユ&北海道」のレポートです。
フランスで300年以上も続いている名門「ドメーヌ ド モンティーユ」
当主のエティエンヌ・ド・モンティーユさん率いる注目のワイナリーです。
2018年に初めて北海道の葡萄を使ったワインが岩見沢「10Rワイナリー」で醸造されました。
その時の10Rワイナリーでの醸造は研修生も含めてとても新鮮で刺激的なシーズンとなりました。
翌年、2019年の植樹式ではフランス大使館、道庁や各所からの皆さんが集まりました。
「ただ日本でフランスのワイナリーがスタートする」という事ではなく国と国同士のプロジェクトだと感じました。
その事はエティエンヌさんのスピーチでも感じ取れ「明治時代にここ函館でフランス人が偉業をなした。今度は私が函館で皆さんのお役に立つ番だ」と。
そして2023年秋、いよいよ試験醸造がスタート。自社葡萄の初めての醸造となりました。
2024年7月26日
ド・モンティーユ&北海道の開所式が開催されました。
今回もフランス大使館を始めとし、函館市長やお祝いに駆け付けた来賓の皆様が沢山いらしていました。
エティエンヌさんの偉業をお祝いする為に、フランスの名だたるワイナリーの皆さまもいらした素晴らしいレセプションです。
昨年試験醸造したワインもこの日の為にお披露目されました。
これからの「ド・モンティーユ&北海道」のワイン造りがとても楽しみです。
すっかり夜景に変わったこの場所で新しい挑戦のスタートです。
おわりに
次々の新しいワイン造りがスタートする北海道。
次回のレポート時にも新しいワイナリーが増えてますね。
各エリアのワイナリーレポートは別途、こちらでお知らせさせて頂きます。
見逃せない北海道のワイン事情を楽しんで頂けると嬉しいです。