世界中で愛されている食材のひとつ、エビ。

日本では日々の食卓はもちろん、お正月のおせち料理など季節の行事食に使われることも多い、“おめでたい”食材でもあります。

これだけ私たちの日常に溶け込んでいるエビだからこそ、エビに合うワインを知っておきたいところ。

ここでは、エビの特徴からエビに合うワインを探求。

そして実際に、“エビと相性がよい”であろうワインと合わせてみました。

手軽においしく「エビ×ワイン」を楽しめる内容です。

エビについて

エビは、甲殻類に属する節足動物です。

その種類は、3,000種を超えるといわれていますが、食用として利用されているエビはごく一部。

その中でも、バナメイエビやクルマエビ、アカエビ、ブラックタイガー、アマエビ、イセエビ、ホッカイエビ、シロエビなどがよく知られています。

また、エビは低カロリー・高タンパク・低脂質なうえに栄養豊富なため、ダイエット中に嬉しい食材です。

疲労回復効果が期待されているタウリンや強力な抗酸化力を持つといわれるアスタキサンチン、体内の毒素を排出してくれるというキチン質などが多く含まれています。

これら栄養素のほかには、コラーゲンやグリシン、アルギニン、亜鉛、ビタミンE、鉄など、エビは栄養素の宝庫といっても過言ではありません。

おいしいだけでなく体にも嬉しい、エビは毎日でも食べたい食材のひとつなのです。

エビを香りや味について

エビをワインに合わせるためには、エビそのものの香りや味の特徴を押さえておく必要があるでしょう。

まず、エビは生食または加熱して食べられます。

生のエビはねっとりとした食感と甘み、ほのかな酸味、揮発性化合物であるジメチルスルフィドが関与する潮の香りが特徴です。

一方、加熱したエビは強い弾力とうまみ、メイラード反応によって生成されるピラジン類、とくに「アルキルピラジン」による香ばしい香りが特徴になります。

また、エビは甘みやうまみに関与するグリシン、プロリン、アラニンなどのアミノ酸が豊富です。

さらに、グルタミン酸などもおいしさに関与します。

アミノ酸(うまみ)はピラジン類の香りと組み合わされると増強されると言われており、加熱するとより、エビがおいしく感じる特徴があります。

もちろん、エビをどのように調理するかによってワインの選び方が変わりますが、エビそのものの味わいを知っておくことで、ワイン選びがグッと楽になるでしょう。

エビにワインを合わせよう

エビの特徴を理解できたら、次はワイン選びです。

エビと合わせるワインについて、深掘りしてみました。

エビの特徴から考えるワイン選び

エビとワインを合わせる際、ポイントは香りと甘みとうまみ、塩味、弾力です。

エビ自体は独特な風味を持っていますが、繊細な風味なので香りや風味、ボディが強すぎるワインは避けましょう。

まず、生のエビの甘みを引き出し生かすなら柑橘やハーブの香りがあるもの、エビの爽やかな酸味との調和を考えシャープな酸味があるものがおすすめです。

また、潮っぽい味わいに合わせるためにはチョークのようなミネラルのニュアンスを持つワインも調和します。

一般的に、ソーヴィニヨン・ブランやピノ・グリ、リースリングがおすすめされており、スパークリングワインならカジュアルなプロセッコなどの優しい泡がおすすめです。

加熱したワインは、どうでしょうか。

加熱したエビの場合、塩焼きやにんにく、ハーブを使うことが多く、エスニックだとピリ辛なものが多いようです。

中華であればロゼワインがおすすめされていますが、上記のような白ワインも悪くはありません。

ローストされたエビは弾力が強くなるため、酸味がしっかりとしたもの、ほのかにタンニンを感じるテクスチャーがしっかりとしたワインがよいとされています。

香菜と油を使ったこってりしたものであればライトボディの赤ワインも魅力ですが、赤系果実のニュアンスや赤ワインのタンニンがぶつかる可能性があるでしょう。

比較的、柔らかでアロマティックな白ワイン、オレンジワインだと上記のようなエビ料理には合う可能性があります。

クリーム系で仕立てたエビ料理は、リッチさと柑橘のニュアンス、シャープな酸を兼ねそなえた樽熟成のシャルドネやソーヴィニヨン・ブランもよいかもしれません。

これら特徴から、エビとワインを組み合わせる場合は、柑橘やハーブ、うまみ、酸味、ミネラルを感じるフレッシュな白ワインが幅広く使えそうです。

エビにはソーヴィニョン・ブラン

生、加熱問わずエビにワインを合わせる場合、ソーヴィニヨン・ブランが良策かもしれません。

ソーヴィニョン・ブランは世界中で栽培されている白ブドウ品種で、日本ワインでも多く見かけるようになりました。

ソーヴィニヨン・ブランの特徴をおさらいしていきましょう。

  • ライムやレモン、グレープフルーツの柑橘の香り
  • パッションフルーツ、グアバ、マンゴーの香り
  • シャープな酸味とフルーティー&フレッシュなハーブの風味
  • 産地によって濡れた石、またはチョークのようなミネラル感など
  • 樽熟成も可能

ソーヴィニヨン・ブランは栽培されている産地の気候条件や土壌条件などに左右されますが、フレッシュでトロピカル、ハーブなどの青い香り、シャープな酸味が特徴です。

また、海外ではシーフードや野菜を主役にした料理にはソーヴィニヨン・ブランが定番であり、ボルドーでは生牡蠣との相性が抜群としてよく食べ合わせられています。

生のエビにソーヴィニヨン・ブランに合わせることで、ライムを絞ったような爽やかさが甘みを増強させ、さらにねっとりした甘みにフルーティーさがプラスされ、さらにミネラル感と酸味が後味をすっきりとさせるでしょう。

加熱したエビにもソーヴィニョン・ブランの柑橘の香りは合わせやすく、ハーブの香り、青い香り、果実の甘さと酸味、テクスチャー、さらりとした心地よい余韻もエビのおいしさを邪魔しません。

また、上記でお伝えしたようにうまみ成分とピラジン類が組み合わさることで、うまみが増強されるところです。

ソーヴィニヨン・ブランワインと牡蠣の組み合わせにおいて、ピラジン類によるうま味増強効果が認められたという海外での研究があります。

ソーヴィニヨン・ブランは、メトキシピラジンをはじめとしたピラジン類が豊富です。

エビにも豊富にうまみ成分が含まれているため、このソーヴィニヨン・ブランのうまみが組み合わさることで、さらにエビのうまみが増強される可能性があります。

エビには、ソーヴィニヨン・ブランが合う可能性が高い。

早速、実践していきましょう。

エビ×ソーヴィニヨン・ブラン

エビにソーヴィニヨン・ブランが合うか、生食と加熱したもので合わせてみました。

  • えびの刺身

今回は、刺身用のアカエビをソーヴィニヨン・ブランに合わせました。

アカエビの刺身は、香りは控えめながら、ねっとりした甘さとほのかな酸味、潮の風味がしっかりとする味わい。

ソーヴィニヨン・ブランの柑橘をベースとした爽やかな香りがアカエビの風味にプラスされ、より爽やかな味わいが完成します。

ソーヴィニヨン・ブランの風味はねっとりとした食感や甘さ、旨みを邪魔せず、酸味が後味をさっぱりとさせる心地よいペアリングです。

  • 焼きエビ

次に、アカエビを塩こしょうでグリルしたものと、ソーヴィニヨン・ブランを合わせます。

ソーヴィニヨン・ブランと合わせると香ばしい香りにレモンを絞ったような風味になり、アカエビの甘さがより際立つペアリング。

グリーンのニュアンスがハーブをちらしたような印象で、爽やかさもプラスされました。

アカエビのうまみとソーヴィニヨン・ブランの華やかな風味とのバランスが良く、口内でふんわりとフルーティーさと酸味、エビの風味が一体化します。

レモンをアカエビにしぼれば、より魅力的なペアリングになるはずです。

まとめ

毎日でも食べたい、エビ。

その特徴から合わせるワインは、ソーヴィニヨン・ブランがおすすめです。

ぜひ、日常の世界に「エビ×ソーヴィニヨン・ブラン」を取り入れてみてください。