和食の伝統調味料のひとつが、醤油です。
日本ワインはその繊細な香りと風味から和食とも合わせやすく、醤油を使った料理ともぶつかることなく合わせることができます。
しかし、本来ワインと醤油は難しいペアリングであり、日本ワインと醤油も積極的に合うといった組み合わせではないかもしれません。
そんな中、日本ワインのみならずワイン自体と相性が良い醤油が誕生しました。
それが、湯浅醤油有限会社(以下、湯浅醤油)が生み出した醤油、「SHINKO NOIRE」、「SHINKO BLANCHE」です。
本記事では、「SHINKO NOIRE」を使って、本当にワインと相性が良いのか試してみました。
ワインに合う醤油を探していた、また飲食店の方も必見の醤油です。
ぜひ、参考にしてみてください。
「SHINKO NOIRE」・「SHINKO BLANCHE」について

「SHINKO NOIRE」、「SHINKO BLANCHE」は、醤油発祥の地として知られる和歌山県湯浅町で1881年に創業した老舗の醸造元『丸新本家』の醤油部門である湯浅醤油が手掛けた醤油。
醤油と言うと、誰もが日本国内の大手調味料メーカーや老舗醤油蔵がつくる伝統調味料というイメージですが、なんと「SHINKO NOIRE」、「SHINKO BLANCHE」はフランスでつくられた醤油とのことです。

さらに驚くのが、醸造元はフランス、サンテミリオンのワイナリー「シャトー・クーテット」。
世界有数のワイン銘醸地であるボルドー サンテミリオンの老舗シャトーであり、古くからオーガニック農法を実践し続けている名門中の名門です。
湯浅醤油は、2023年より同シャトーのオーナーのアドリアン・ダヴィド・ボーリュー氏とコラボレーションしており、最高品質のフランス産醤油をつくり続けています。
醤油はフランス産の原料を使用し、「シャトー・クーテット」のワイン樽で発酵・熟成させるといったこだわりが詰め込まれたつくり。
「SHINKO NOIRE」は、フランス産のオーガニック大豆と小麦、そして塩田で造られたイル・ド・レの塩を使用し、ワイン樽で12カ月間じっくりと熟成させた醤油。
「SHINKO BLANCHE」は、「SHINKO NOIRE」と同じ原料を使用していますが、その配合割合が異なり、小麦を多く使用しワイン用のステンレスタンクで丁寧に熟成された醤油とのこと。
また、インテリアとしても美しい木製ボックスや日本では珍しいビン内に樹脂の注ぎ口、キャップは外側が木製、内側は樹脂となっており高級感の中にも利便性を求めたこだわりの容器で仕上げられています。
幅広い和食に合わせやすそうな、魅力的な醤油ですが、気になるのはやはりワインとの相性です。
日本ワインは醤油と合うのか?

冒頭でお伝えしたように、ワインと醤油の相性は難しいと言われています。
そんな中でも、日本の赤ワインは繊細な香りと味わい、とくにマスカット・ベーリーAなどは香ばしいカラメルのようなニュアンスがあるため、醤油との相性は悪くはありません。
しかし、近年の日本ワインは国際品種を使用したワインも増えており、海外のワインに比肩するクオリティへと進化を遂げています。
裏を返せば、日本ワインは同じレールの上を走っているわけではないにせよ、海外産ワインに近づいてきたと考えることもできるでしょう。
そのため、日本ワインであれば難しく考えなくても醤油と相性抜群とは言い切れなくなってきているわけです。
では、そもそもなぜ醤油とワインの相性は難しいと言われているのか、下記で解説していきましょう。
ワインのタンニンを引き立ててしまう

醤油の魅力は、ダイナミックな塩味とシャープな酸味、複雑な風味です。
グルタミン酸を中心としたアミノ酸由来の強いうまみが、料理の味わいを引き立てます。
しかし、赤ワイン、とくにフルボディのワインはその塩味と酸味によってタンニンが際立ってしまい、味わいのバランスが崩れてしまうのです。
リースリングやノンオークのシャルドネ、スパークリングワインには合わせやすいと言われていますが、どうしても醤油の味わいが勝ってしまうため、そこまで優れたペアリングと言えるかはわかりません。
タンニンが少ない赤ワイン、甘口のスパークリングワインも推奨されていますが、上記同様にどうしても醤油の存在が強く主張されてしまうため、“無理にワイン”を選ぶ必要もないでしょう。
寿司や刺身とワインは合う?

醤油がダイレクトに味わえる料理が寿司や刺身です。
寿司とワインはもはや定番のペアリングになりつつあるため、醤油とワインは合うといったイメージを持つ方も多いでしょう。
しかし、酢飯や脂の多い魚、香ばしく炙ったもの、塩や柑橘をかけたものなど、醤油というよりは食材とワインの相性問題になっています。
刺身も同様で、寿司や刺身がワインと合うため醤油との相性も問題ないと思われがちですが、醤油単体で合わせ流のは難しく、食材がペアリングのブリッジになっていると考えられるでしょう。
「SHINKO NOIRE」とフルボディの赤ワイン

上記の理由から、醤油とワイン、とくにフルボディの赤ワインとの相性は難しいと考えられます。
しかし、「SHINKO NOIRE」と「SHINKO BLANCHE」だったらどうなのでしょうか。
フルボディの赤ワインの聖地とも言えるボルドーの老舗シャトーで醸造された、ワインのような醤油。
本記事では、ワイン樽で12カ月間じっくりと熟成させた「SHINKO NOIRE」とワインの相性を忖度なしで確かめてみました。
ワインと喧嘩しないという衝撃
本来、醤油に合わせやすいとされる日本の赤ワインで試すべきですが、ここは思い切って最もワインとの相性が難しいとされている海外産フルボディの赤ワインとの相性を確かめました。
このワインに合えば、日本ワインとの相性は間違いありません。
比較しやすいように、一般的な日本でつくられている濃口醤油と「SHINKO NOIRE」、そこに赤ワインを合わせます。
まずは、一般的な濃口醤油との相性。
醤油、次にワインと口に含んだ瞬間はそこまで喧嘩する感じはありませんが、後味にワインのタンニンが際立つほか、醤油の塩辛さと酸味が強調されてしまい、お世辞にも“合う”とは言えません。
ワインを普段あまり飲まない方であれば、やや抵抗感が出てしまう組み合わせです。
次に、「SHINKO NOIRE」。
「SHINKO NOIRE」を口に含むと驚くほどフルーティーな風味が口に広がり、後味もエレガントです。
そこにフルボディの赤ワインを合わせると、本当に驚きました。
「SHINKO NOIRE」のフルーティーさと爽やかな酸味、やわらかな甘みがワインの要素と共鳴し、後味に醤油が主張せずにワインの良い香りが抜けていくのです。
タンニンが強調されてしまうどころか、むしろシルキーに感じさせる驚きの結果。
忖度抜きで、ワインに合う醤油を発見しました。
まとめ

「SHINKO NOIRE」を絹ごし豆腐にかけたものと、フルボディの赤ワインを合わせましたが、こちらのペアリングも完璧。
豆腐と赤ワインも意外な組み合わせですが、「SHINKO NOIRE」の存在がブリッジとなり、赤ワインと豆腐の相性を良きものへと昇華させてくれています。
そのままはもちろんですが、カルパッチョ用にアレンジすればさらにワインとの相性が良くなりそうです。
一方、「SHINKO BLANCHE」は、より口当たりが優しく、甘さと香ばしさが楽しめるということで、フルーティーでアロマティックな白ワインと合わせやすいのではないでしょうか。
ワインに合う醤油を探しているワイン通、また飲食店の方は必ず手に入れて欲しい逸品「SHINKO NOIRE」・「SHINKO BLANCHE」。
下記サイトでチェックしてみては。
参考
