はじめまして。
【ワイン・食・人(わいんしょくにん)】磯部 美由紀(いそべ みゆき)です。
このコラムでは、料理好きワイン好き主婦の私が、日本ワインと家庭料理のペアリングを考え、みなさんに提案していきます。
梅雨時から初夏にかけ、アジやイワシが美味しい季節ですね。
これらの青魚は栄養価も高く、お値段も比較的お手頃なので、家庭の食卓には重宝するお魚たちですよね。
調理方法も、焼き魚、煮魚、お刺身、蒸したり、つみれにしてみたりととても使い勝手が良いので、この時期は私も良いものを見つけては購入し、せっせと食しております。
ただひとつ。生魚ってワインとの相性がイマイチ、なんてことも聞きませんか。
確かに、お刺身には日本酒との組み合わせが王道なイメージがあるかも。
日常の食卓にワインを並べたい私としては、そこんとこハッキリさせておきたい!!!
ということで、今回は鮮魚とワインのペアリングを探求してみました。
ここからは、実際に豊洲市場に行ってお魚を買い求めるところからスタートし、下処理(お魚を捌く)、最終的にペアリングの確認をしていきます。
ぜひ一緒に体験してください。
(いや長いわ、って方は)
魚の目利きが知りたい→「まずはお魚探し」
アジの捌き方を見たい→「アジを捌きます」
イワシの捌き方を見たい→「イワシを手開きしてみよう」
大き目のお魚の捌き方を知りたい→「メジマグロを捌いてみた」
ワインの相性だけ確認したい→「白ワイン×青魚の相性を確認」「赤ワイン×マグロの相性を確認」
をどうぞ。
まずはお魚探し
お魚といえば、豊洲市場。日本全国どころか、世界中から600種類以上もの水産物が集まっています。
趣味、豊洲市場歩きの私が、お魚のプロである仲卸さんに直接今の旬のお魚やよいアジの選び方を教えていただきました。
6~7月のこの時期は、やはりイワシ、アジ、赤イカ、カツオなどが美味しい季節だそう。
確かに、「梅雨イワシ」とか「入梅イワシ」なんて言葉、聞いたことがありますね。
そして今回は、その中から、アジ、イワシ、青森産メジマグロを購入しました!
鯵の目利きポイント
・お腹の弾力に張りがあること
・鰓をめくった内側が鮮やかな赤色であること
・丸みを帯びたフォルム
アジの捌き方、徹底解説
よいお魚が買えましたので、さっそく捌いていきます。
最も一般的な三枚おろしをしていきます。
お刺身でも煮魚でもフライでもマリネでも、いろんな料理に使える便利なテクニックですから、ぜひ覚えておきましょう。
そう難しくないわりに覚えてしまえば一生モノのテク。そしてモテテク。無形嫁入り道具。
いや、「女子力」とか言うけれど、、、かわゆいネイルもふわふわ巻き髪も素敵。しかしその上で、個人的にはこういう地味なモテテクがより大事だと思うんですよね。
生姜焼きやオムライスなどを作っては「私、お料理結構するんですぅ」的な女子との差別化を是非にはかっていきましょう!!
あ、話が逸れた。
やってみれば意外と簡単なので、真似してみてね。
イワシを手開きしてみよう
続いてイワシ。
アジと同じように捌くのでも良いけれど、なにせイワシは骨が多い。そしていろんな方向に向いているというなんともアーティスティックな形状で、包丁で切ってしまうと残った骨をとるのが逆に面倒。
ってことで、手開きが便利です。
脂も乗っているので、すーっと骨が取れて気持ちいいです。
そうそう、かわゆいネイルをしている方は、手袋をしてトライしてくださいね。
メジマグロを捌いてみた
さらに、青森産のメジマグロが美味しそうだったので、こちらも購入。
メジマグロのような大きめサイズのお魚も、基本的にはフォルムが同じなら、捌き方もアジと一緒です。
カレイやヒラメ、ホウボウとか、違った形状のお魚については、また別の機会にトライしましょう。
大きいお魚の場合は、ウロコ取り器や骨周りの血をきれいにするための歯ブラシがあるとより便利です。
とても立派で鮮度抜群のメジマグロ。
脂の具合も多すぎず、少なすぎず、赤身の味わいも感じられる、私好みな状態です。
これは、赤ワインと合わせるのに期待が高まります。
そういえば、私の魚の師匠も言っていた。「捌いている時によい状態だとそれだけでテンションあがるんだよね」って。
ピノノワールかな・・・あー赤ワインが飲みたい。
絶賛テンション上がっております。
白ワイン×青魚の相性を確認
いよいよ実食!
鮮魚とワインの相性を確認していきたいと思います。
やっと飲める、食べられる!と張り切ってお刺身の準備をしていたのですが。
え、ブラインド?準備されたワインの銘柄が社長の手により隠されている。
多少パニックに陥りましたが、確かに先入観なしで純粋に相性を確認できますね。
ということで、ワインとの鮮魚の相性、ガチで向き合っております!
<青魚×白ワインのまとめ>
今回は①②のワインが甲州でした。
恥ずかしながらブラインドなことにドキドキしてしまっていた私なので、ワインの銘柄を見るまで気付きませんでしたが、アフターに感じた苦みは、なるほど甲州特有のグレープフルーツのような爽やかな柑橘のものですね。
同じ甲州でもシュール・リーの方が、より合わせやすかった印象です。
いずれも、お魚の味わいに柑橘をプラスしたような味わいになり、一品でも口の中で味の種類の広がりが感じられ、これはワインならではのペアリングなのかな。
③のシャブリも華やかで美味しかったです。
合わせたワイン
- 日本ワイン 蒼龍葡萄酒 シトラスセント
- 日本ワイン 敷島ワイナリー 甲州シュール・リー
- フランス シャブリ
アジのマリネレシピ
<材料>
- 三枚おろしにしたアジ
- 白ワインビネガー
- 塩
- ブラックペッパー
- オリーブオイル
- ベビーリーフ
- ポワブルローゼ
- レモン
アジの皮は、お酢に付けた後の方が簡単に剥けるようになるので、三枚おろしにし皮を剥ぐ前の状態のアジを使うのがポイント。
アジに多めに塩を振って15分置き、しっかり水分を取る。
15分たったらアジについた塩をお酢で濯ぐ。(ここはワインビネガーだともったいないので、私は穀物酢や米酢などを使ってます)
白ワインビネガーに20分程度浸す。
アジの皮を剥いで、斜めに切る。
ベビーリーフやカットしたレモンを合わせ、塩少々、オリーブオイルを回しかける。
あとは、ブラックペッパーをガリガリ、ポワブルローゼをパラっと。
お魚をよく洗って、水分を抜いて、酸を加えることで、徹底的にお魚の臭みを取り除きます。そうすることによって、甲州に限らず、様々なワインにより合わせやすくなりますよ。
ちなみに、美味しいワインビネガーの産地って、ワインの銘醸地と重なるものも多いとか。
赤ワイン×マグロの相性を確認
<マグロ×赤ワインのまとめ>
いずれも品種はピノ・ノワールでした。
マグロの赤身部分のほのかな酸と中トロ付近の旨味に、広島三次のTOMOEピノ・ノワールの出汁感やほどよい酸が寄り添う感じです。マグロにつけたお醤油の存在も大きいですね。
ボディの重さ加減も、マグロの味わいに負けることなく、ちょうどよかったです。
フランスのピノ・ノワールは、ルジェ・ペール・エ・フィスのオートコートドニュイ ルージュ2016!
赤系ベリーの香りがなんとも華やかで、うっとりしてしまうワイン。
香りのボリュームが大きいのと、心地の良いタンニンの存在は、やはりペアリングとしてはもう少し油脂分が欲しくなっきます。
マグロならば大トロとか、あとはお肉と楽しみたいかなと思いました。
合わせたワイン
- 日本ワイン 広島三次ワイナリー TOMOEピノ・ノワール
- フランス ブルゴーニュ オートコートドニュイ
ということで、今日も美味しいワインが飲めました!
お魚の方に酸や油脂分を加えて生臭みを消してワインに合いやすくするという工夫もありですが、今回のように、柑橘系の爽やかな酸を感じる甲州などの白ワインであれば、それ自体がマリネをすることの代替の役割を果たしてくれ、食中酒として楽しめることがわかりました。
赤ワインに関しては、魚の生臭み云々というよりは、お魚の脂の乗り具合とワインの重さのバランスがポイントですね。
みなさまもぜひ、お刺身と日本ワインの食卓を楽しんでみてください!
こんな感じで、季節ごとに、ゆるっと、私のワインと食との探求は続きます。
ワイン・チーズライター 磯部 美由紀
日本ワイン.jp チーフエディター
J.S.A認定 ワインエキスパート
C.P.A認定 チーズプロフェッショナル
ワイン記事監修実績:
Picky’s こだわり楽しむ、もの選び〔ピッキーズ〕
すてきテラス