初夏から夏にかけて旬を迎える、すいか。
すいかは野菜か果物かはっきりとした定義がないと言われていますが(農林水産省では「果実的野菜」に分類されている)、果物売場に並べられているため果物と認識している方が多いかもしれません。
さて、そんなすいかは白ワインと良く合う食材のひとつ。
今回はその理由、さらに今が旬である鳥取すいかを提供する「とっとり・おかやま新橋館」2階ビストロ・カフェ「ももてなし家」を訪れて白ワインとすいかの相性をたしかめてきました。
“すいかと白ワインの相性”の秘密を紐解いていきましょう。
すいかは栄養豊富な嬉しい食材
すいかは、爽やかで甘く、シャリシャリした食感が特徴で、約9割を水分が占めていることから夏場の水分補給にぴったりな食材です。
中国の西域から伝来したことから、「西瓜」と呼ばれるようになったと考えられており、日本でも古くから食されている夏の風物詩的な存在でもあります。
上記でお伝えしたように果肉がほぼ水分であることから栄養が少なくと思われていますが、カリウムやミネラル、βカロテン・リコピン、シトルリン、ビタミンC・Aを含むなど栄養も豊富。
食べ過ぎなければ毎日でも食べたい、そんな食材です。(熱中症対策にもぴったり)
さて、すいかはそのままでも美味しいですが白ワインとの相性も抜群。
海外では爽やかなスパークリングワインやチャーミングな果実味からロゼワインが推奨されていますが、日常的にワインと合わせると考えるとすれば白ワインがおすすめでしょう。
とくに、国産白ワインは香りや風味、ボディ感が強すぎず繊細であることからすいかとの相性がより良好です。
すいかと白ワインの相性について
すいかと白ワインを合わせる際、すいかの香りや風味、テクスチャーを考える必要があります。
まず、すいかの香りや風味に寄与しているのか下記のような成分だと考えられているようです。
- アルデハイド類…爽やかな香り
- アルコール類…フルーティーな香り
- ケトン類…レモンのような香りに関与
- 6-ノナジエナール、3-ノネナール…きゅうりのようなみずみずしく青い香り
例えば、ロゼワインは赤系の果実やフローラル、甘いニュアンスがあるため相性が良さそうですが、シャープさとレモン、ハーブのような青さを考えると白ワインが近しいイメージです。
次にすいかのテクスチャーですが、シャリシャリ、シャキシャキ、みずみずしいといった言葉で表現されるように、柔らかさよりも、“ほど良い噛みごたえ”が特徴になります。
スイカの美味しさはシャリ感が重要と言われているなど、噛んで美味しさを楽しむ食材と考えることができるでしょう。
そのため、どっしり、まったり、やわらかなテクスチャーのワインではなく、ミネラルや塩味、酸味がしっかりとした骨格のある白ワインとの相性が良さそうです。
そのほかには、すいかにレモン汁をかけるとトロピカルフルーツ様に変化する、塩をかけることで甘みが増強される、冷やして美味しいといった観点から、若くフレッシュでシャープな白ワインが合うと想定されます。
すいか×白ワインの相性を実践
“すいかと白ワインは合う”と伝えつつも、理屈ではなく本当に相性が良いのか。
今回、すいかと言えば鳥取県ということで、東京新橋にあるアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」の2階ビストロ・カフェ「ももてなし家」にて、“すいか×白ワインの相性”を確かめてきました。
現在、「とっとり・おかやま新橋館」1Fショップでは、どこを食べても甘いことが魅力の、「鳥取すいか」が販売されており、同館2階「ももてなし家」では「鳥取すいかフェア」と題した鳥取すいかをふんだんに使用したスイカスイーツを期間限定で提供しているとのことです。
白ワインとすいかの相性を確かめるためには、美味しいすいかを食べなければ始まりません。
そもそも鳥取すいかとは何か、鳥取県東京本部の大塚杏未さんにお聞きしました。
「首都圏では熊本県や千葉県のすいかが多く出回っているかもしれませんが、鳥取県も日本有数のすいかの産地なんです。大山山麓の栄養豊富な黒ボク土で育つ鳥取すいかは大玉で甘く、シャリ感が特徴。ちなみに今年の鳥取すいか査定会での内側平均糖度は12.2度と、例年並みに甘く仕上がっています。」
さらに、鳥取すいかは皮の際まで甘いため、どこを食べても甘く美味しくいただけるそうです。
鳥取すいかの出荷のピークは6月上旬から7月上旬。
「ももてなし家」での「鳥取すいかフェア」は7月6日(日)頃までの開催予定。また1Fショップでは、7月中旬頃までの予定でカットスイカや玉売りでの販売を行っています。(大栄すいか、倉吉すいか、琴浦がぶりこ等を販売 ※店頭在庫は入荷状況によります。)
甘くてみずみずしい、シャリ感のある鳥取すいか。
白ワインとの相性も良さそうです。
鳥取県産白ワイン×鳥取すいかの相性をチェック
今回、ももてなし家の店長 木津真之介さんが鳥取スイカとお店で提供されている鳥取県産の白ワイン3種類を実際にペアリング。
用意していただいたすいかスイーツは同店で提供されている、「そのまんま鳥取すいか(900円税込み)」です。
兎ッ兎ワイナリー ヤマブラン 2024×鳥取すいか
まずは、兎ッ兎ワイナリー「ヤマブラン 2024」から調査。
「フレッシュでフルーティー、出汁のニュアンスを持つ白ワインです。酸味がしっかりと効いているため、すいかを食べた後に口の中をスッキリさせるか、すいかを口に含ませて飲んで甘みを感じる飲み方もおすすめです。個人的にはすいかの皮に近いところが合わせやすいと感じたので、すいかのきんぴらや漬物との相性がおすすめですね。」
「ヤマブラン 2024」の爽やかな柑橘のニュアンスですいかが甘酸っぱく、さらに爽やかな後味となるバランスの取れたペアリング。
ちなみに、すいかのきんぴらや漬物は現在期間限定でディナーメニューとして提供中なので、実際にお店を訪れてチェックしてみて欲しいとのことです。
※兎ッ兎ワイナリー「ヤマブラン 2024」 1,300円(グラス)
北条ワイン 地図ラベル×鳥取すいか
「甲州が使用されている北条ワインの、『地図ラベル』。奥ゆかしい穏やかな味わい。その中にライチやマンゴスチンなど南国フルーツを思わせる夏らしいフレーバーを感じる白ワインです。硬質なミネラル感がもたらすテクスチャーとすいかのシャリシャリ感がよく合うペアリング。個人的に夏の渓流を彷彿とさせるほか、瓜科の食べ物を合わせて涼を取るような組み合わせになっていると感じます。」
南国らしいフレーバーをすいかと合わせることで、パイナップルなど南国らしいアロマとなり華やかな気分に。
すいかのサラダなど、塩味を効かせたアレンジの料理にするとより合わせやすくなりそうです。
※北条ワイン「地図ラベル」 800円(グラス)
倉吉ワイナリー 伯州 シャルドネ 2023×鳥取すいか
「無濾過で仕込まれたワインだけに、そのしっかり感、日本海から運ばれた潮風由来のほのかな塩味が特徴のワインです。すいかに塩をかけるといった昔ながらの食べ方のように、先にワイン、そしてすいかといった飲み方によってすいかのフレッシュ感と甘みを際立たせる飲み方がおすすめです。トマトコンソメといった香りのイメージが、また夏っぽいペアリングに繋がります。」
塩味を感じさせるフレッシュな香りの白ワインはすいかと相性抜群。
ほど良いミネラル感もボディを形成しており、すいかのシャリシャリ感とよく合います。
初夏に楽しみたい、“夏の入口”を想起させるペアリングです。
※倉吉ワイナリー 「伯州 シャルドネ 2023」1,300円(グラス)
(こちらのワインは期間限定での提供予定。提供期間については直接店舗にお問い合わせください。)
柑橘のニュアンスやミネラル感、シャープな酸味など、日本の白ワインと甘い鳥取すいかのペアリングは抜群だったと、木津さん。
すいかとワインのペアリングは初めてだったが意外な組み合わせで、もっとアピールしたくなる美味しさだったと驚いていました。
まとめ
すいかにワインを合わせるといった発想すらなかった、そんな方も多いかもしれません。
初夏から夏にかけて美味しいすいかは、栄養豊富なだけでなくワインとも合わせやすい嬉しい食材です。
これを機会に、鳥取県産白ワインと鳥取すいかの相性を気軽に試してみてはいかがでしょうか。
参考
「とっとり・おかやま新橋館」概要
住所 :東京都港区新橋一丁目11番7号 新橋センタープレイス
電話番号:1階ショップ 03-6280-6474
2階ビストロ・カフェ「ももてなし家」 03-6280-6475
営業時間: 1階 10:00~21:00
2階 11:00~21:30(L.O.21:00)
※営業時間は変更となる場合があります。最新情報は公式HPをご確認ください。
公式HP :https://www.torioka.com/