フランス・パリで日本の酒を審査するコンクール”Kura Master”
2025年から「日本ワインコンクール」を新設することが発表されました。
初年度となる今年は日本の固有品種として栽培の歴史も古く、ヨーロッパ市場において日本の代表的な品種として認知されつつある「甲州」にて行われるそうです。
1月28日、東京国際フォーラムにてその記者発表会が開催され、日本ワイン業界関係者も多く参加されました。
Kura Masterとはどのようなコンクールなのか、また、今回新設される「甲州」の日本ワインコンクールとは?
主催者の宮川圭一郎氏の動画とともに、詳細を見ていきましょう。
Kura Masterとはどんなコンクール?!
Kura Masterは、日本の酒類の魅力を世界へ広めるという使命のもと、2017年よりフランス・パリにおいて日本酒コンクールを開始し、2020年には本格焼酎・泡盛コンクールを、そして2023年より梅酒コンクールを開催しており、今年で延べ9回目のコンクールを開催しています。
審査員はフランス人を中心としたヨーロッパの方々で、フランス国家が最高職人の資格を証明するMOFの保有者をはじめ、フランスの一流ホテルのトップソムリエやバーマン、カービスト またレストラン、ホテル、料理学校関係者など飲食業界のプロフェッショナルで構成されています。
つまり、”フランスの地で行うフランス人のための日本の伝統的な酒類のコンクール”なのです。
Kura Master名誉会長 門司健次郎氏
今年から日本ワイン部門が新設!
昨今のヨーロッパ市場では「甲州」が日本ワインを代表する品種として認知されつつあり、日本のワイン文化の特異性を際立たせる存在でもあります。
また、フランスのワイン文化では地域や品種ごとにワインを学ぶことが伝統とされていることもあり、Kura Masterコンクールとして初年度となる日本ワインコンクールの部門を「甲州」に絞ることで、審査員の学びと理解を深めることに注力しました。
今年度は「甲州」をテーマとしていますが、日本各地には多彩な品種や地域の魅力があります。次回以降、さらなる多様性に焦点を当て、日本ワイン全体を世界に広めていくことを目指しています。
東京国際フォーラムにてプレス発表会が行われました!
日本ワイン部門新設とのことで、東京国際フォーラムにて開催されたプレス発表会には、日本ワイン業界で活躍する方々の来賓も多くありました。
来賓の山梨県ワイン酒造組合会長の有賀雄二氏は、近年の海外でのコンクールで入賞する日本ワインが増えてきたり、欧州でのプロモーション「KOSHU OF JAPAN」の取り組みなどを紹介しながら、今回の部門新設を光栄だと語られました。
多くのコンクールの審査員をする、ソムリエ協会副会長の森覚氏は、「料理を主眼においてワインを審査するアプローチは非常に興味深い。日本のソムリエも日本の、世界の料理と一緒に楽しむ提案ができるよう、フランス側から日本側からそれぞれの取り組みで、よいシナジーが生まれたらよいですね。」と期待を寄せる。
メルシャン エグゼクティブ・ワインメーカー 安蔵光弘氏の、1980年代は甘口ワインとして造られており、その後フランスワインを見本にさまざまな取り組みを行い、海外の方からの提案などにより日本オリジナルの辛口白ワインが造られるようになった”甲州”の変遷のお話からは、唯一無二の品種であることが理解できた。
「日本の代表品種であるも、まだまだ日常的に飲む日本人は少ない現状です。甲州の良さを再発見していただければ嬉しい。」と語られた。
フランスにてワイン造りを学び、初めてパリにて日本ワイン試飲会を開催した岩﨑元気氏の姿も。
試飲会にて日本ワインを試した約450名のフランス人の多くが、素晴らしい個性に溢れるワインが造られていることに驚いていたそう。
そうした経験から、「これから欧州での日本ワイン普及において、大きなインパクトを与えてくれる取り組みだと思う。」と話され、また「山梨県だけでなく日本全国で甲州が造られていったらいいなと思っている。」と甲州の発展についての希望も述べられた。
<左上より時計回り>
山梨県ワイン酒造組合会長/勝沼醸造代表取締役社長 有賀雄二氏
メルシャン エグゼクティブ・ワインメーカー 安蔵光弘氏
ソムリエ協会副会長/アンダーズ東京エグゼクティブソムリエ 森覚氏
ワインメーカー/フランス国家公認醸造士DNO/サロン・デ・ヴァン・ジャポネ主宰 岩﨑元気氏
エントリー要項
スケジュール
1. エントリー要項発表:1月28日(火)仏時間6時、日本時間14時
2. エントリー期間:2月10日(月)~ 3月21日(金)
3. 審査会:5月26日(月)於 フランス・パリ ESPACE CHARENTON
4. 受賞酒発表:6月16日(月)※審査員賞、プラチナ賞、金賞 、Top3 公式HPにて発表。
5. Kura Master2025授賞式:9月24日(水)於 在フランス日本国大使公邸 (予定)
※審査員賞 表彰状授与
6. Kura Master2025受賞酒試飲会:9月25日(木)於 パリ日本文化会館(予定)
エントリー概要
<エントリー方法>
2月10日(月)~ 3月21日(金)の期間、Kura Master公式サイトからオンラインでの申し込みになります。詳細は下記URLよりご確認ください。
<エントリー条件>
Kura Master日本ワインコンクールの審査対象は甲州部門の1部門です。費用は、出品酒1点当たり307ユーロです。(エントリー登録費用、配送費、関税、酒税等の諸費用を含む)。
規定内容、条件詳細は以下URLをご覧ください。
https://kuramaster.com/ja/wine/entry-requirements/
一流の食やワイン文化の発信地であるフランスにて評価を得ることは、挑戦のしがいある場ではないでしょうか。
甲州の生産者のみなさま、いかがでしょうか。
お問い合わせおよび詳細は公式HPにてご確認ください。
Kura Master公式
https://kuramaster.com
Kura Master
日本ワインコンクール スケジュール
https://kuramaster.com/ja/wine/entry-requirements/

磯部 美由紀
日本ワイン.jp 編集長★チーフエディター★
J.S.A認定 ワインエキスパート / C.P.A認定 チーズプロフェッショナル
映画 フロマージュ・ジャポネ 制作実行委員会 事務局長
https://nihoncheese.jp
ワイン記事監修実績:すてきテラス
Picky’s こだわり楽しむ、もの選び〔ピッキーズ〕