近年そのクオリティ向上が目覚ましい日本のナチュラルチーズ。
日本にはワインと同様に、それら国産ナチュラルチーズのコンテストがいくつか存在します。
それらの中で最も大きなもののひとつが、NPO法人チーズプロフェッショナル協会が主催する「Japan Cheese Awards」。
このコンテストは2年に一度の開催で、2014年からスタートし今年で第6回目を迎えました。
チーズのおいしさを伝えるイベント「Cheese Fun!Fan!Fun!」と例年同時開催されています。
しかしながら2020年、2022年はコロナ禍によりアワードだけだったりと小規模にひっそりと行われ、今回は実に4年ぶりに生産者と来場者とが直接会場にてコミュニケーションをとれる形での開催となりました。
そのため、この日を心待ちにしていたファンがさぞかし多かったことでしょう。
二日間のトータル来場者数は約4,500人!会場は大勢のチーズ愛による熱気に包まれました。
Japan Cheese Awardsとは
国産ナチュラルチーズのナンバーワンを決める本コンテストの目的は主に2点。
「日本のチーズのレベルアップ」、そして「日本のチーズの認知度の拡大」です。
賞のために生産するわけでないでしょうけれど、やはりこのような機会があればより美味しいものを作ろう!というモチベーションにもなりますし、こうして大きなイベントとなれば、多くの人に日本のチーズを見聞きし知る機会が作られますね。
また愛好家からすれば、美味しいチーズを選ぶひとつの目印にもなりますので、ひいては消費拡大にもつながることでしょう。
審査は、完全ブラインドによるもので、研修を積んだJCA専属審査委員が中心となり進め、JCAの基準に沿った優秀なチーズを原点方式、加点方式の両方で選んでいきます。
Japan Cheese Awards2024について
今年はゲスト審査員や海外からの審査員を含め、総勢93名が審査をしました。
チーズの種類によって分かれる部門は24部門。
今年は、近年その利用方法が注目されるホエイを使ったチーズ、「ホエイ リコッタ」部門・「ホエイ バラエティ」部門が新設されました。
全体では今回、120のチーズ工房から、371品のチーズが出品され過去最大の出品数となりました。
Cheese Fun!Fan!Fun!とJapan Cheese Award2024について、チーズプロフェッショナル協会会長の坂上あき氏、Japan Cheese Awards実行委員長の圓子千春氏にお話しをお伺いしました。
Japan Cheese Awards2024審査結果!
さて、最も気になるアワードの審査結果です。
2024年のグランプリは、北海道のチーズ工房タカラが作る「タカラのタカラ」!
このチーズは実は、2018年にもグランプリを獲得しており、なんと2度目の受賞です。
作り手の斎藤愛三(さいとうなるみつ)氏は、
「この舞台にたてることを目標としてきたのでとても嬉しいです。グランプリに選んで頂いた本チーズは、工房の名を冠したフラッグシップ商品です。開業時から提供していますが、より高品質を目指して現在も常に研鑽を続けています。今後も大地、牛、微生物、関わる人の循環を意識してより良いチーズ作りに邁進していきます。」とコメント。
斎藤氏はじめ、最優秀部門賞を獲得した作り手たちの喜びの声をお届けです!
みなさま本当に嬉しそう!
おめでとうございました!!
(正式な受賞名および商品名については、下記◼️審査結果にてご確認ください)
■審査結果


※その他の審査結果については、下記チーズプロフェッショナル協会HPにてご確認ください。
https://www.cheese-professional.com/upfiles/files/JCA2024公開全リスト20242023.ver2.pdf
約200種以上のチーズが試食できる!「Cheese Fun! Fan! Fun!」「日本の銘チーズ百選」も大盛況!
同時開催のチーズのおいしさを伝える「Cheese Fun!Fan!Fun!」全体について、そして「日本の銘チーズ百選」についてもお伝えすべき大イベントです。
広々とした展示スペースには、チーズの基本知識やアワード出品チーズの紹介、フォトブースなどが設置され、来場者は思い思いに楽しまれていました。
前日に一次審査が行われたエリアでは、翌日「審査体験ワークショップ」も開催されていました。
チーズ愛好家はもちろん、親子連れや、食を真剣に学ぶ学生の姿も。
やはり特筆すべきは「日本の銘チーズ百選」!
こちらのコーナーでは、生産者から直接チーズの説明を聞きながら今回約200種類以上のチーズの試食ができるという、チーズラバー垂涎のエリアでした。
来場者はもちろんのこと、生産者もとにかく楽しそう。
木次乳業の川本氏は「自分のチーズを美味しく食べてくれるお客様の笑顔が見られるこの日を毎回楽しみにしている」と語られました。
国産ナチュラルチーズについて、知る!食べる!楽しむ!が叶う、生産者にとっても消費者にとっても盛大で熱い2日間。
この勢い、日本のチーズが世界の美食マーケットを席巻する日も遠くないのでは。

磯部 美由紀
日本ワイン.jp 編集長★チーフエディター★
J.S.A認定 ワインエキスパート / C.P.A認定 チーズプロフェッショナル
映画 フロマージュ・ジャポネ 制作実行委員会 事務局長
https://nihoncheese.jp
ワイン記事監修実績:すてきテラス
Picky’s こだわり楽しむ、もの選び〔ピッキーズ〕