飲酒機会が多くなる時期の代表格といえば、年末年始。
いつも以上にテンションが上がってしまい、思わず飲み過ぎてしまう…という方も多いのではないでしょうか。
酒は百薬の長(とくにワイン)と言われていますが、それはあくまで適量飲酒を守った上での話。
飲酒量が多くなりがちな時期だからこそ、あらためて“酔い”について学んでいきましょう。
酔うとは?
そもそも、「酔う」とはどういった状態なのでしょう。
酔いとは…
- アルコール飲料を摂取
↓ - アルコールが血液に運ばれ脳へ
↓ - 神経細胞に入る
↓ - アルコールによって神経細胞が麻痺する
基本的には、こういった状態です。
酔いの初期は、交感神経が麻痺するため毛細血管が広がり血圧が下がります。
そして顔が赤くなったり、神経細胞が麻痺することから感覚神経が鈍ることで体に力が入らず、なんとも言えない幸福感を得ることができる状態に…。
いわゆる、「ほろ酔い」といった感じかもしれません。
しかし、一部の飲んべえの方たちはほろ酔いで止まることができず、さらに飲酒を続けます。
すると、このようにステージに突入します。
ネクストレベルの酔っぱらい
ある程度の飲酒量で楽しさをキープできればよいのですが、前述したようにアルコールを多く摂取すると各種神経機に影響が出てきます。
たとえば、前頭葉など理性を司る部位が不活性となり、本能のまま行動したりつまらぬことを言い出したり、暴れるなど危険な水域へ…。
運動神経も当然麻痺するので、自らの意思に反した方向へ歩いていくなど「泥酔」状態となってしまうのです。
ちなみに、「気分いいねぇ」という状態は血中アルコール濃度0.02%ほどだそうで、それ以上濃度が高まっていくと泥酔や酩酊といった状態になるのだとか。
そして、0.4%を超えると昏睡状態となり…最悪の結果を招くことになる可能性が。
以前、成人式や20歳のお祝いで飲み過ぎてしまい昏睡状態に…というニュースをよく耳にしましたが(今もあると思いますが)、とくにかく飲み過ぎは百害あって一利無し。
適正飲酒で止めておくのは難しいかもしれませんが、ほどほどにしておくクセをつけておきましょう。
体内におけるお酒の行方と二日酔い
私たちの体の中に入ったお酒はどのような経路を辿るのでしょうか。
基本的にアルコールは吐息や汗、尿などから輩出されるものの、ほとんどが肝臓のアルコール分解の主経路を通り分解、解毒されています。
- アルコール
↓ - アルコール脱水素酵素
↓ - アセトアルデヒド
↓ - アルデヒド脱水素酵素
↓ - 酢酸
↓ - アセチルCoA
↓ - 脂肪酸・コレステロール・エネルギーなど
↓ - 水・炭酸ガス
が、一般的なアルコール分解の主経路です。※MEOS(アルコール分解バイパス経路)によるものもある
ちなみにアセトアルデヒドは毒物であるため、これが代謝されず翌朝残ることが二日酔いになると考えられていました。
しかし、様々な研究からアセトアルデヒドは二日酔いの時点で体内にはすでになかったり、同等のアルコール量のお酒であっても二日酔いの程度が違うため、現在はアセトアルデヒド説は否定的に捉えられているようです。
一方で今注目されているのは、お酒の種類によって近頃では飲んだお酒にふくまれているコンジナー(不純物あるいは微量物質)説。
そして、お酒がもとで起こる胃炎などの炎症説などです。
とはいえ、お酒が飲めない人から見て想像を絶するような飲酒量であれば二日酔いになるのは当然といえるでしょう。
あらためて適正飲酒を心がけていきたいところです。
※ちなみにアルデヒド脱水素酵素の中でもアルデヒドが低濃度のときに働く「ALDH2」の活性が弱い方はお酒に弱い体質といわれており、自分がお酒に強いのか弱いのか遺伝子検査などでわかるそうです。気になる方は試してみましょう。
上手なお酒の飲み方
酔いについて、そしてアルコールの分解・解毒の経路の基本についてお伝えしました。
とはいえ、いろいろと頭ではわかっていても、美味しいワインと楽しい仲間が集まればリミッターが外れて暴走してしまうという方は多いはず。
“飲み過ぎ禁止!”といったところで飲む人は飲みます。
そこで、せめて血中アルコール濃度が高まることを遅くする、という方法をお伝えしましょう。
結論、超基本ですが、アルコールの一部はすぐに胃から吸収されることから、食べ物を摂取しておくこと、お酒はゆっくりと飲むことがポイントです。
まず、炭酸ガスが入っているお酒は胃でのアルコール吸収を促進するため早く酔いがまわる傾向にあるといわれます。
“シャンパンを飲むと二日酔いする”という人もいますが、炭酸ガス系のアルコールは飲みやすいのでグイグイ飲み過ぎてしまうことが原因です。(単に飲み過ぎ)
ただし、濃いお酒の方が胃に早く吸収されることから、先にビールを飲んでからゆっくりワインなどを飲むのがおすすめでしょう。
また、胃に粘膜を作るために牛乳やヨーグルトをあらかじめ摂取するのが良いといわれていますが、否定的な実験結果などもあり眉唾ものだということ。
それよりも肝臓の働きを高めるオルニチンやタウリン豊富なシジミ、牡蠣、タンパク質を多く含む食品などをおつまみにお酒を飲んだ方が効果的です。
ちなみにビタミンやタンパク質をつくるアミノ酸豊富なトマトを使ったおつまみは悪酔い防止にとても有効だといわれています。
ぜひ、楽しい酒の席であってもご自身の体のことを考えながらお酒を楽しんでください。
“酔い”について思い出そう
お酒が大好きな人にとって、お酒の無い生活はあり得ません。
お酒の銘柄やマニアックな知識、お酒ありきの人付き合いに熱を入れるのもよいですが、あらためて“酔う”ということについて知っておくことも重要です。
年末年始はもちろん、お酒を飲む直前に少しでも“酔う”という話のことを思い出してみてはいかがでしょうか。