赤ワインにも白ワインにも合う、手軽で健康的なおつまみを探している。
そんな方におすすめの食材があります。
それが、「グレープフルーツ」です。
4〜5月が旬といわれているグレープフルーツ。
春の時期はスーパーマーケットにも多く並ぶことでしょう。
ここでは、「ワイン×グレープフルーツ」をおすすめする理由についてお伝えします。
グレープフルーツを知る
グレープフルーツとワインのペアリングを考える上で、まずグレープフルーツについて知っておく必要があります。
敵城視察ではありませんが、ワインに合わせる食材の特徴を知ることはペアリングを成功させる上で重要なアプローチです。
グレープフルーツとは
グレープフルーツは、フレッシュ&甘酸っぱさが特徴の柑橘類の一種。
カリブ諸島の国 バルバドス島を原産地とするフルーツで、「禁断の木の実」と呼ばれていました。
グレープフルーツにはビタミンCはもちろん、カリウム、リコピン、ナリンギンなどが含まれているほか、その香りが交感神経を活発にするなど、多種多様な健康高価が期待されています。
これらスペックから、グレープフルーツは健康的なおつまみであることは間違いないでしょう。
しかし一般的にグレープフルーツは、食後のフルーツとして、スイーツとして、ジュースとして楽しまれています。
お酒関連であればカクテルに利用されることもありますが、これ単体を“つまみ”として扱う方は少ないかもしれません。
では、なぜグレープフルーツがワインのおつまみとしておすすめなのか…。
詳しく解説していきましょう。
白ワインとグレープフルーツの合わせ方
まず、白ワインとグレープフルーツの相性について考えていきましょう。
白ワインにはさまざまな香りが含まれていますが、主に“柑橘類の香り(シトラス)”を持つものが少なくありません。
また白ワインの多くは早飲みタイプの、「フレッシュ&フルーティー」な要素を大切に仕上げられており、こういった部分もグレープフルーツと親和性が高いと考えることができます。
そのため、白ワインとグレープフルーツを合わせるのであれば、“生(そのまま)”かサラダ仕立てにして柑橘系のドレッシングで調理するとよいでしょう。
とはいえ全ての白ワインにバッチリペアリングするわけではないため、より親和性を高めるためには、できるだけグレープフルーツに近いニュアンスを持つワインを選ぶことが重要になります。
では、どんなワインを選べばよいかお伝えしましょう。
ソーヴィニヨン・ブラン&甲州
グレープフルーツと合わせるのであれば、「ソーヴィニヨン・ブラン」か「甲州」がおすすめです。
まず、ソーヴィニヨン・ブランにはグレープフルーツ様の香り成分がふくまれていることが発見されています。
さらに近年、甲州(きいろ香)にもソーヴィニヨン・ブランに近い香り成分があることが発見されたことで話題となりました。
これらの芳香成分は「揮発性チオール類」と呼ばれる成分であり、多くのワイン好きに知られています。
- 3MHA…グレープフルーツ風味など
- 3MH…グレープフルーツ、パッションフルーツ
- 4MMP…ツゲ
グレープフルーツのような香りとパッションフルーツの南国の香り、ツゲのような青さを感じる香りがうまいバランスで感じられる白ワインであれば、かなりグレープフルーツに近しい香りを楽しめると考えることができるでしょう。
ちなみにグレープフルーツの主要な香り成分は、「リモネン」と「ヌートカトン」といわれているので完璧に同じ香りとはいえませんが、“グレープフルーツのような”という意味ではこれら品種がおすすめとなります。
ちなみに「ヌートカトン」という芳香成分はほろ苦さを感じさせる香りですので、やや後味に苦味の残る甲州と合わせるのが良いかもしれません。
赤ワインとグレープフルーツの合わせ方
次に赤ワインとグレープフルーツの合わせ方です。
赤ワインと合わせるなら、“ルビーレッドグレープフルーツ”と思われるかもしれませんが、赤色と白色は酸味や苦味の感じ方が違うだけで香り成分についてはあまり変わりません。
とはいえ、見た目の観点もふくめてルビーレッドは甘味がやや強く苦味も強過ぎないので赤ワインと合わせるのはおすすめです。
さて、白ワインと違い赤ワインはグレープフルーツの要素(揮発性チオール類はふくむが)というより、ベリーやスモーキー、肉、樽由来のヴァニラなど、“濃い”香りを持ちます。
そのため生のグレープフルーツよりも、“一手間加えた”グレープフルーツと合わせるのがおすすめです。
赤ワインに寄っていく…
グレープフルーツは先ほどお伝えしたように、甘酸っぱくフレッシュな味わいが特徴です。
しかし、グレープフルーツなど柑橘系の果汁を加熱することにより香りが変化することが示唆されています。
例えば、グレープフルーツ果汁が加熱されるとこういった香気成分が出てくるそうです。
- 2-メチル-3-フランチオール
- メチオナール
- 2-アセチル-2-チアゾリンなど…
これだけだとよくわからないのですが、これらを含む香りをまとめると、
- 醤油で調理された肉のような香り
- ポテトやチーズ、醤油、味噌などに含まれる香り
- ローストビーフのような香りなど…
つまり、グレープフルーツを加熱すると若干の肉様の香りがあらわれてくることから、赤ワインに寄ってくると考えることもできるのです。
赤ワインとグレープフルーツを合わせるのであれば、生より軽く熱を入れたグレープフルーツを使ったサラダなどがおすすめ。
また、軽く肉を加えた一皿とのペアリングもいいかもしれません。
マスカット・ベーリーAとグレープフルーツサラダ
論より証拠…ということで、今回もグレープフルーツを使ったワインペアリングに挑戦してみました。
グレープフルーツはルビーレッドをチョイスし、果肉をフライパンで炒めます。
ただ、ワインのおつまみという意味でこれだけ…というのは寂しいので、サラダ用のケール、カリカリベーコンとその油と醤油、バターのソースをあえたサラダにしてみました。
ワインは、醤油、肉…といったニュアンスを考えた上で「マスカット・ベーリーA」をチョイス。
焼けたベーコンの風味とグレープフルーツ独特の香気と甘酸っぱさ。醤油ベースのソースは、「マスカット・ベーリーA」と完璧にペアリングします。
とくに「マスカット・ベーリーA」の果実の感じとグレープフルーツの温まったジューシーな果実感の親和性も高く、自分でも驚くほどよい組み合わせです。
ぜひお試しください。
グレープフルーツは使えるおつまみ!
グレープフルーツを生で食べるのであれば、白ワインと食後や休日の日中の晩酌に。
赤ワインと合わせるのであれば、軽く熱を入れたグレープフルーツを普段使いできるサラダとして…。
グレープフルーツは思った以上にワインに合わせやすく、“使い勝手の良い”おつまみであることがお分かりいただけたと思います。
普段フルーツを食べないという方でもワインがお供であれば、チョイスしやすくなるでしょう。
ぜひ、今記事を参考にいろいろなワインとグレープフルーツを合わせてみてはいかがでしょうか。
参考