山梨県南アルプス市でワインを醸す、「ドメーヌヒデ」。
マスカット・ベーリーAを中心に、赤ワイン造りにこだわるブティックワイナリーです。
マスカット・ベーリーAのポテンシャルを徹底的に引き出したトップキュヴェ〈ラピュータ〉をはじめ、同ワイナリーの生み出す贅沢な造りのワインは多くの人たちの心を掴んで離しません。
さて、そんなドメーヌヒデですが、毎年ワインの可能性を追求したユニークなアイテムを発表しています。
今回、同ワイナリーの渋谷英雄さんがおすすめする注目の3本をテイスティングしてみました。
同氏の遊び心と探究心を感じられる4本となっているので、ぜひチェックしてみてください。
アマビエ(Amabie) 2019
まず紹介したいのが、〈アマビエ(Amabie) 2019〉。
疫病の流行を防ぐ妖怪として注目された「アマビエ」をモチーフにしたワインですが、なんとシャルドネ100%のオレンジワイン。
遅採りのシャルドネを足踏みで潰した後、自然発酵。赤ワイン仕込みの方法で12日間果皮と種子を漬込み、「願いが叶う」という新月日に瓶詰めされています。
外観は淡いオレンジ色、柑橘や切り立てのリンゴのようなフレッシュな香りが特徴的。
スパイシーさとほのかな苦み、長い余韻を感じる奥行きを感じるオレンジワインです。
塩味を感じたり煎茶を飲んだ後のような心地の良い苦みあったり、脂っぽい料理や寿司に合わせやすそうな印象を受けました。
渋谷さん曰く、「オレンジワインの本場であるジョージアの味を知る人からは、まだまだ甘いといわれました。来年はもっと美味しくなると思いますよ。」とのこと。
十分ドライで奥行きがあるオレンジワインでしたが、来年の仕上がりが楽しみで仕方がありません。
シロシロ チュパ(ShiriShiro chupa) 2019
マスカット・ベーリーAを100%使用したワイン。
干しワイン(アマローネ)の搾りかすを使用し、2回発酵(リパッソ)させた贅沢な造りの1本です。
オレンジ色から赤に向かう途中のような美しい外観。
マスカット・ベーリーAらしい綿飴のような甘やかさとチェリー系の甘酸っぱさを思わせる香り、ジューシーな果実味を感じさせる飲み応えが特徴です。
アフターも長く、酸がしっかりと残っているので甘いだけではなく緊張感のあるフィニッシュが魅力。
「リンゴ酸ではなく、コハク酸の酸味なんですよね。」と渋谷さん。
中華系の食事との相性がバッチリ、ということです。
シロシロ チャチャチャ(ShiriShiro cha-cha-cha) 2019
マスカット・ベーリーAを100%使用したワイン。
なんと極上のオークチップに浸漬したという、禁断の造りが採用されたユニークな1本となっています。
こちらもオレンジから赤色にさしかかろうという美しい外観。
ウッドの風味と爽やかな果実の香りが心を踊らせます。
オークチップ由来のヴァニラの風味が口中に広がるだけでなく、マスカット・ベーリーAのフルーティーな風味も組み合わさったユニークな味わい。
酸もしっかりと残っており、ぴちぴちしたフレッシュなアフターにも心惹かれます。
「まさに木の香りを楽しめるワインです。ワイン初心者の方にオススメです。」と渋谷さん。
マスカット・ベーリーAというと繊細な和食など強過ぎないお料理と合わせるイメージですが、〈シロシロ チャチャチャ〉は木の香りがしっかりするボリューム感のある1本。
いつもとは違う、マスカット・ベーリーAのペアリングにチャレンジできそうです。
アマビエ×サーモン寿司
ドメーヌヒデらしい、遊び心に溢れた3本を紹介しました。
どれも素晴らしいワインですが、個人的に気になったのが〈アマビエ(Amabie) 2019〉。
アフターのドライなタッチと煎茶のような渋みから、どうしても寿司と合わせたくなってしまいました。
しかも、今が旬の脂の乗ったサーモン寿司…。
さっぱり過ぎるネタよりも脂が乗ったネタと相性が良いと考えたのです。
その狙い…当たりました。
〈アマビエ(Amabie) 2019〉の塩味と柑橘の風味が、サーモンと独特な風味、酢飯の甘やかな風味をより引き立てます。
脂っぽい味わいながら、〈アマビエ(Amabie) 2019〉の苦みがそれをスパッと切ってくれ、口の中が爽やかな印象に。
日本酒は強過ぎる…という方には、〈アマビエ(Amabie) 2019〉とサーモン寿司の組み合わせがオススメです。
魅力的な動画コンテンツにも期待!
ユニークなワインをいろいろと紹介してきましたが、最後に情報を。
ドメーヌヒデでは、10月より公式YouTubeチャンネルにて、素敵な動画を順次アップ予定。
ドローンの風景や剪定、収穫、仕込み、かご清掃など、マイクロワイナリーの魅力がたっぷりと詰め込まれたラインナップです。
「この動画を見て、“自分もブドウを栽培したい、ワインを造ってみたい”という方が一人でも増えたらいいな…と思って作っています。もちろん、ワインを飲みながらのんびりと見ていただいても楽しいと思いますよ。」と渋谷さん。
日本ワインの可能性を追求し続ける渋谷さん、ドメーヌヒデの今後に注目です!
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