4つのワイナリー集積地が存在することで知られる、長野県。
「桔梗ヶ原ワインバレー」、「千曲川ワインバレー」、「日本アルプスワインバレー」、「天竜川ワインバレー」の4つのワインバレーから、日本を代表するワインが多数生産されています。
長野ワインの選択肢が広いことは嬉しいことですが、「どこのワインを選べばよいか悩んでしまう…」といった方も多いはず。
今回、そんな方におすすめしたいのが、「千曲川ワインバレー」の東地区です。
魅力溢れるワイナリーが集う、この地区の魅力をここで紹介していきましょう。
多種多様なワイナリーが揃っている
ワイン産地の中には、大規模ワイナリーが中心となった産地、大規模ワイナリーと個人経営のワイナリーがある産地、ブティックワイナリーなど高級ワイン生産が主体の産地など、さまざまな特徴があります。
そんな中、「千曲川ワインバレー」東地区は、1971年にマンズワインが上田市で龍眼の栽培をスタートしたことをきっかけに、大規模ワイナリーから個人経営のワイナリー、ブティックワイナリー、新進気鋭のニューフェイスなど、多種多様なワイナリーが揃っている産地です。
つまり、「千曲川ワインバレー」東地区はある意味、「日本ワインの縮図」のような形で、さまざまなスタイルのワインを楽しむことができる、ということになります。
千曲川ワインバレー」東地区のワイナリーについては詳しくは後述しますが、ここまでいろいろな経営スタイルのワイナリーが集まっている産地も珍しいのではないでしょうか。
ワイン用ブドウの栽培に適した魅力的な産地
「千曲川ワインバレー」東地区は、ワイン用ブドウの栽培に適した産地だといわれています。
ワイン用ブドウの栽培には…
- 日照時間が多い
- 昼夜の寒暖差が大きい
- 風通しがいい
- 気温が高過ぎず低過ぎない(やや冷涼がよい)
- 降雨量が少ない、またはほどよい
- 水はけがよい…
といった条件が揃っていることが望ましい、と考えられています。
「千曲川ワインバレー」東地区は、晴天率が90%で日照時間が年間2,100時間ほど、さらに降雨量が年間約980mmと、ワイン用ブドウの栽培に大変適している環境です。
また、年間の平均気温は約9℃前後であり、桑山が多いことから水はけの良い土壌が広がっているところもポイントでしょう。
ちなみにボルドーのように「千曲川ワインバレー」東地区は、千曲川の左岸・右岸で栽培環境に若干の違いがあり、左岸がカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、右岸がシャルドネやソーヴィニヨン・ブランなどに適しているとされています。
糖度が高く、さらに酸度、フェノール類などの成分もしっかりとため込まれた、品質の高いブドウが収穫できる場所が「千曲川ワインバレー」東地区なのです。
あの有名ワイナリーが集う産地
「千曲川ワインバレー」東地区には、日本ワインファンであれば知らぬ者はいない有名ワイナリーが数多く揃っています。
まず、「千曲川ワインバレー」東地区に位置するのは、上記でお伝えしたようにマンズワインやシャトー・メルシャンの椀子ワイナリーなど、誰もが知る大規模ワイナリーです。
そして、「千曲川ワインバレー」東地区をワイン産地として発展させた功労者といわれている、玉村豊男氏の「ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー」も忘れてはなりません。
そして、日本でも指折りの醸造家である小山英明氏がオーナーの「リュードヴァン」や「アルカンヴィーニュ」なども「千曲川ワインバレー」東地区のワイナリーです。
これだけの名門が揃っていながらも、まだまだ「千曲川ワインバレー」東地区の一部。
ワインを選ぶ楽しさに溢れた、魅力的なワイン産地といえるでしょう。
新進気鋭のワイナリーにも注目!
「千曲川ワインバレー」東地区に位置する市町村は広域ワイン特区であり、各市町村の連携力が強いワイン産地としても知られています。
行政なども応援しているほか、日本で初めての民間ワインアカデミー「千曲川ワインアカデミー」なども開設されたことで話題になりました。
また、外部のワイナリーや「ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー」などで修行した方が独立して新しくワイナリーをスタートさせるなど、「ワイン造りを始めやすい産地」として、日々拡大を続けています。
そのため、ユニークな新進気鋭のワイナリーが多いことから、“あまり知られていないマニアックな日本ワインが欲しい!”といった方にもうってつけの産地といえるでしょう。
例えば、元システムエンジニアである中島豊氏の「ドメーヌナカジマ」や元プロサイクリストのオーナーが手掛ける「496ワイナリー」、現役の脳神経外科の飯島明氏の「アトリエ・デュ・ヴァン」など、全く別の分野からワイン造りをスタートさせた生産者も少なくありません。
ほか…
- ファンキー・シャトー
- 坂城葡萄酒醸造
- カーヴハタノ
- ツイヂラボ
- ナゴミ・ヴィンヤーズ
- テールドシエル
- はすみふぁーむ&ワイナリー
など、多種多様なワイナリーが揃っているのです。
ちなみに、長野ということでシードルとワインを醸造するワイナリーも多く、「レヴァンヴィヴァン」や「アンワイナリー」、「たてしなップルワイナリー」などは、シードルファンからも人気です。
ひとつのワイン産地でこれだけユニークなワイナリーが集っている場所はなかなかありません。
「千曲川ワインバレー」東地区は、「お気に入りのワイン産地を見つけたい!」といった方には、ぜひぜひおすすめしたい場所のひとつです。
ワイン満喫の旅なら「千曲川ワインバレー」東地区へ!
「千曲川ワインバレー」東地区は、そのほか長野ワインが楽しめる観光列車があったり、チーズ好きの聖地のひとつ「アトリエ・ド・フロマージュ」があるなど、ワインを美味しくしてくれる場所が数多く存在しています。
通販やワインショップで「千曲川ワインバレー」東地区のワインを購入するだけでなく、ぜひワイン旅行に出掛けてみてはいかがでしょうか。
参考
千曲川ワインバレー東地区パンフレット「ワインと暮らす。」
https://www.pref.nagano.lg.jp/josho/josho-shokan/kannai/gyomu/documents/2021wineismylife.pdf