日本ワインが飲めるお店シリーズ、今回は香港からレポートです。
香港の中心街である中環(セントラル)のビル一階に入る、イノベーティブ・フュージョン「Ando」。
ミシュラン一つ星を獲得する、いま香港で人気のレストラン。

このレストランの人気のひとつに、”日本ワインが楽しめる”という魅力があるそうですが、さらには11月7日に香港にて開催された日本ワインのコンテスト「和酒アワード2024」とのコラボディナーが企画されました。

「Ando」どんなレストラン?

創業者シェフのアグスティン・バルビ氏は、アルゼンチン出身。
尖沙咀のモダンジャパニーズ「Haku」のシェフを務めていた。
日本では、「ズリオラ」「龍吟」「ミッシェル・トロワグロ」にて料理の腕を磨き積、彼の独自の視点から自身の料理ビジョンを実現するために「Ando」をオープンしました。

ミシュランでは、「上品なディテールとオープンキッチンを誇るミニマルなダイニングルームで、彼の先祖のルーツと強い日本の影響を融合させたテイスティングメニューは、食事をする人を個人的な旅へと誘います。」と評価される。

ソムリエおよびワインダイレクターを務めるのは、和酒アワードの審査員も務めたCARLITO氏。
彼は「ベスト・オブ・ザ・グラス・リスト」、「ベスト・ミディアム・サイズ・リスト」、「ベスト・スパークリング・ワイン」、「トップ10ワイン・バイ・ザ・グラス」を、2024年には「ベスト・ソムリエ」賞を受賞。
また、IWSCワイン審査委員会の審査員も務めている。これらの栄誉は、アジアにおけるワインペアリングの先駆者としての彼の名声を確固たるものにしている。

 

日本ワインペアリングディナー内容

和酒アワードコラボ日本ワインペアリングディナーのテーブルをご紹介いたしましょう。
基本的には一皿に1グラスが提供されます。今回は8皿に9杯のワイン。すべて日本ワインと日本酒でした!

スターターは、スモーク香がきいたパプリカムースとロブスター、さっぱりといただけるタルタル和牛、白エビとウニ。緑色に見えるのは白エビがハーブに纏われてるから。

平川ワイナリー(北海道)のロゼスパークリング、Les Amitiés Roséで乾杯です。

海苔のパンは、アフターがスパイシーなスペイン産のものと、バタリーでグリーンフレーバーが爽やかな小豆島のもの、二種類のオリーブオイルで。

お席まで恭しく運ばれてきたアタッシュケースのような箱には、キャビアが。
お隣に準備されている蒸した毛蟹の上にめいっぱいキャビアが乗せられました。

こんな贅沢に果たしてどんなワインが合わせられるのだろうか。

長野県のブドウを使ったドメーヌ・ボー(富山県)のシャルドネ
果実味がしっかりとしており単体で美味しいワインですが、合わせても生臭みは一切出ることなく、塩味やコクとよいバランシングでした。

石鯛セビーチェは、昆布だしのベースに、かぶ、マイクロパプリカ、パクチーなどが入っている和風。
お出汁の繊細な旨みに、パクチーがアクセントとなり、”ちゃんと”セビーチェでした。

こちらには、ドメーヌユイのピノ・ノワール
烏龍茶フレーバーを感じるこのピノ・ノワールは、昆布だしベースによく合いました。

パンプキンスープの仕上げには、たっぷりのカラスミがその場で削られました。
中には、銀杏ともちもちのかぼちゃのニョッキ。

このかぼちゃの甘みとカラスミの塩味には、ウッディファーム(山形県)のプティマンサン
悶絶級に美味しい組み合わせでした!

レア具合な火入れが絶妙な、金目鯛のブールブラン。
バターと柑橘の酸味が心地よいこの一皿には、日本酒が合わせられました。

仙禽のオーガニック・ナチュールW 貴醸酒 kijoshu 

メインは、アンガス牛の松茸スライス添え

最後は、リュードヴァンのピノ・ノワール、ファットリア アルフィオーレのメルロー2021のダブルペアリング!
松茸の濃厚な香りも負けないボリュームで香るピノ、滋味深いメルローで二通りのお味を楽しめました。

ロブスターのビスクのリゾット。
お米は、香港の二澳米が使用されています。
香港国内でははお米の生産はそう多くありません。その中でこの二澳米というのは、今最も注目されてる貴重な香港ブランド米。
最初はそのままスープやお米を味わいます。美味しい。
そして、後半はこだわりの花巴のフォームをかけて、大人のリゾットに。えびの殻に入ったフォーム(アルコール)を自分の好みで加えていきます。米の風味とアルコールの厚みで、深みのあるお料理に変化していくのが楽しいです。

ライムのシャーベットとミントのフォームでお口直しをし、デザートはワゴンで。
全て少しずついただきました。

デザートには、GRACE WINE(山梨県)の周五郎
こちらは、MBAと甲州を醸して、発酵途中にグレープスピリッツ入れた酒精強化ワイン、甘口。

クリスピーな食感のクラッカー、チョコレートのムース、バニラアイス、コニャックの効いたエアリーなチョコレートムースなど、たくさんいただき大満足。

さいごに

いかがでしたでしょうか。
香港でこのようなクオリティで日本ワインペアリングが楽しめるレストランがあることは、 日本ワインが香港市場でのハイエンドな場所で興味関心を惹きつけていることの証明でしょう。
また、香港のソムリエが、一本ずつ、とても詳しく日本ワインを説明してくれることにとても感動しました。

世界での日本ワインの可能性を強く感じるディナーとなりました。

香港にて特別なディナーをお探しの方は、ぜひ候補にされてはいかがでしょうか。

 

そしてなんと、レストランAndoのワインディレクターのカリート氏からのスペシャルプレゼント!

香港でAndoに行かれる際に『日本ワイン.jpの記事を見た』とお伝えいただくと、カリート氏厳選のグラスワイン1杯を無料でプレゼントしていただけることになりました!(ただし、日本から香港への旅行者様限定のサービスです。期間は2025年3月末まで)

香港でハイエンドなディナーを楽しみたい方はぜひAndoへ足を運んでみてください!