日本ワインは西日本でも多く製造されています。
そんな数ある西日本のワイン産地の中でも、とくに注目してほしい場所が「岡山県」。
果物王国とも称される同県はブドウ栽培が盛んなことでも知られており、品質の高いワインが製造されていることでも有名です。
ここでは、“最近、日本ワインが好きになった!”という方に向けて、ワイン産地における岡山県の魅力をお伝えしていきます。
ブドウ栽培に理想的な産地!
岡山県におけるブドウ栽培の歴史は古く、約130年前にまでさかのぼるとされています。
ブドウ導入当初は失敗の連続だったものの、1886年に当時画期的だった温室栽培を採用。
岡山県を代表するマスカット・オブ・アレキサンドリアの温室栽培を日本で初めて成功させました。
先人たちの熱意と努力、技術を受け継いだ農家によってブドウ栽培地が県内に広がり、今日本を代表するブドウの一大産地にまで成長したのです。
岡山県は生食用ブドウの品質が高いことで知られており、マスカット・オブ・アレキサンドリアやニューピオーネ、シャインマスカットなど高級ブドウの宝庫。
さらに新しい品種の導入、そして近年は質の高いワイン用ブドウが収穫されていることでも知られています。
その理由として、前述した先人たちによる技術の伝承だけでなく、
- 温暖である
- 晴れの日が多い
- 台風など気候災害が少ない
など、気候風土がブドウ栽培に適しているからだと考えられています。
ちなみに岡山県は、「晴れの国」と呼ばれているほど晴れの日が多いことでも有名。
ブドウの生産量が多いだけでなくその多くが高値で取引されていることを考えれば、岡山県はブドウ栽培に適した産地であることがわかるのではないでしょうか。
日本ワインファン必見の新見市とは!?
ブドウ栽培に適した産地、岡山県。
近年、岡山産ワインの品質の高さにも注目が集まっています。
岡山県のワイナリーといえば…
- ドメーヌ・テッタ
- ラ・グランド・コリーヌ・ジャポン
- 岡山ワインバレー
- コルトラーダ
- 黒髪山葡萄園
- ひるぜんワイナリー
- ふなおワイナリー
- 是里ワイン醸造場
- サッポロワイン岡山ワイナリー
などがあります。
これらワイナリーは岡山内のあちこちにある…といったイメージかもしれませんが、「新見市」という場所に集中しています。(ほか、真庭市、倉敷市など)
岡山県新見市は優れたワインを生み出すポテンシャルを兼ね備えている、注目産地。
その理由について、簡単にお伝えしていきます。
新見市について
岡山県新見市は、平成17年に新見市と阿哲郡4町が合併して誕生した市。
岡山県の西北端に位置しており、中国山地の脊梁地帯に位置することから起伏が多いところが特徴です。
総面積の約87%を森林が占める高梁川源流域の自然豊かなまちとして知られています。
新見市の特徴① 冷涼である
新見市の特徴はまず、気温の低さ。
「晴れの国」と称される岡山県内の中でもトップクラスに気温が低く、年間平均気温は12.9℃(新見)、11.6℃(千屋)。(岡山県の年間平均気温は16.3℃ ※出典:気象庁HP 2018年)
さらに、最高気温も岡山県で38.1℃なのに対し、36.6℃(新見)、34.5℃(千屋)と低めです。
今、世界のワイン産地も冷涼な場所を求める傾向にありますが、新見市はある意味で県内随一の冷涼産地。
市内のほとんどが標高400mから600mの場所に位置するなど、繊細かつ複雑性に富んだワイン用ブドウが収穫できる可能性が高い、と考えることができるでしょう。
新見市の特徴② 石灰岩土壌
新見市の南部、哲多。
ワイナリーが集中する産地ですが、じつはこの場所は石灰岩からなるカルスト地形といった特徴があります。
そのため鍾乳洞があり、観光地としても人気だそうです。
このカルスト石灰質土壌(石灰岩と赤土)はミネラルが豊富であり、水はけが良いところがポイント。
南オーストラリアのワイン銘醸地「クナワラ」同様、テラロッサと呼ばれる赤土が地表を覆っているなど、“日本にこんな場所があったのか?”と思わせるほど、ワイン用ブドウの栽培に適した環境が用意されています。
ワイン用ブドウ栽培でもっとも重要なことは、水はけの良さ。
フランスをはじめとしたワイン銘醸地の土壌が石灰岩土壌であることからも、新見市が理想的な産地であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
多種多様なワインが楽しめるところも魅力!
岡山産ワインの魅力は、多種多様なワインが楽しめるところです。
新見市・哲多で生み出されるドメーヌ・テッタのワインや岡山ワインバレーは、日本ワインが持つポテンシャルの高さを感じさせてくれる品質の高いもの。
また、ラ・グランド・コリーヌ・ジャポンなどはヴァン・ナチュールを生み出す、カリスマ的人気を誇る生産者です。
一方、サッポロワイン岡山ワイナリーのような大手もあり、日本ワイン初心者でも楽しめるワインを手に入れることも可能。
さらに同ワイナリーとふなおワイナリーが手掛ける、マスカット・オブ・アレキサンドリアのワイなどは、ほか産地で見かけることはほとんどないでしょう。
画一的なワインではなく、さまざまなスタイルのワインが造られているところも岡山産ワインの魅力です。
岡山県のワインを飲もう
ワインというと、山梨県や長野県、北海道、そして東北といったイメージが強いかもしれませんが、じつは西日本も魅力的。
ぜひ、岡山産ワインをまだ飲んだことがないという方は、同県内のワイナリーを早速チェックしてみてはいかがでしょうか!?
参考
JA晴れの国岡山
https://www.ja-hareoka.or.jp/specialty/budou.html
にいみって | 移住・定住え〜くらし 新見
https://www.city.niimi.okayama.jp/akurashi/pages/niimitte/index.html
domaine tetta
http://tetta.jp/