【第一回】知っておくと便利!スパークリングワインと「泡」の深い関係とは!?

コラム

数あるワインの中でも、「スパークリングワインに目がない」という人は多いでしょう。

爽やかな風味と奥深さを感じさせる複雑性、はじけるような炭酸のテクスチャー。

味はとにかく、「華やかな存在感」だけに惚れ込んでいる方もいるかもしれません。

さて、そんなスパークリングワインの特徴といえば「泡」ですが、なんとこの泡にワインそのものとは別の風味が隠されているのだそうです。

泡に隠されたその風味とは…。

ここでは、二回に分けてスパークリングワインと泡の関係性について深堀りしていきます。

まずは、第一回は「泡の持続性について」解説していきましょう。

泡の持続性について

スパークリングワインといってもその種類はさまざまです。

中でもとくに、「泡に持続性があるもの」は上質といわれておりとくに、「シャンパーニュ」は、“上質なスパークリングワイン”を語る上で重要な素質を全て持ち合わせているといわれています。

なぜシャンパーニュは上質なのか…。

さまざまな理由あありますがその秘密のひとつが、気圧です。

スパークリングワインの製造方法は大きくわけて…

  • 瓶内二次発酵(トラディショナル方式)
  • シャルマ方式(タンク内二次発酵)
  • 炭酸ガス注入方式(カーボネーション)

の三種類といわれており(細分化すればもっとありますが)、シャンパーニュは瓶内二次発酵で製造されています。

ちなみに、スペインのCAVAやフランスのクレマンをはじめ各国で瓶内二次発酵から造られるスパークリングワインは存在しているため、一概に“シャンパーニュこそ至高”とは言い切れませんが…ここではシャンパーニュで解説します。

では、この製造方法が気圧にどのように関連してくるのかみていきましょう。

瓶内二次発酵の気圧に注目

瓶内二次発酵について詳しくは別の機会にお伝えするとして、簡単な流れについて確認していきましょう。

一次発酵(スティルワインを製造)

アサンブラージュ(過去のもの、別の区画、別品種など目指すワインの品質に合わせてブレンド)

二次発酵(瓶内にワイン、ショ糖、酵母を入れ二度目の発酵)

熟成

製品化

もちろん、これ以上に複雑な工程は経ているのですがざっくりいうとこんな感じです。

一般的に瓶内二次発酵で造られたものが最も気圧が高くなり、タンク内二次発酵、カーボネーションの順に気圧が低くなっていきます。(狭い瓶内で長期間熟成させるため気圧は高くなる)

シャンパーニュなど瓶内二次発酵で造られるスパークリングワインのガス圧
(20℃で、5〜6気圧)

タンク内二次発酵で造られるスパークリングワインのガス圧
(3〜4気圧)

カーボネーションで造られるスパークリングワインのガス圧
(2.5〜3.8気圧)

では、なぜ気圧が高いと泡持ちが良くなるのか解説していきます。

溶解度がポイントだった

二酸化炭素などの気体は、“圧力が高くなればなるほど溶けやすくなる”という性質があります。(ヘンリーの法則)

例えば、私たちがシャンパーニュを購入する際に店頭に並んでいる未開封の状態で液中に泡があることは確認できません。

前述したように圧力が5以上のシャンパーニュの場合、瓶内二次発酵で生じた二酸化炭素は全て溶解しているため発泡が確認できない…ということになるのです。

そして抜栓すると大気圧が1気圧くらいになるため、二酸化炭素の溶解度が急激に減少。

溶解していた二酸化炭素の約80%は空気中にほとんどが放出されてしまうため、残り約20%の二酸化炭素が、「ワインの泡」としてワイン中を上昇する…という流れになります。

つまり、気圧が高いために二酸化炭素が液中に多く溶解しているシャンパーニュの場合、残り20%の二酸化炭素量が多い。

泡がほかの気圧が低いスパークリングワインは、二酸化炭素の溶解度が低いことから早く飲まないとあっという間に炭酸の抜けた味気ない、『炭酸無しワイン』となってしまう…ということです。

まずひとつ、シャンパーニュが上質なスパークリングワインであるという理由がここにあると考えることができるでしょう。

泡立ちの持続性をまず知ろう

スパークリングワインの命は、“泡”といっても過言ではありません。

泡の持続性について知っておくだけでもスパークリングワインの選び方が変わってくるでしょう。

さて、第二回は泡の風味について考えます。

これがわかれば、なぜ泡の持続性こそがスパークリングワインの品質を左右するのかが理解できるはずです。

【第二回】知っておくと便利!スパークリングワインと「泡」の深い関係とは!?はコチラ

参考

カリカリベーコンはどうして美味しいにおいなの? Andy Brunning 著 |高橋 秀依 訳 |夏苅 英昭 訳

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