シャルドネやソーヴィニヨン・ブランと並び、世界的に人気が高いワイン用白ブドウ品種として知られるリースリング。
リースリングはドイツやアルザス、オーストリアが有名ですが、日本でもリースリングから質の高いワインが多くつくられています。
リースリングは爽やかさと華やかさを兼ね備えたワインを生み出し、さらに辛口だけではなく甘口など幅広いスタイルを生み出すユニークなブドウ品種です。
今回、そんなリースリングに合う辛口と甘口に合う料理を紹介します。
料理研究家の尾田衣子さん考案、初心者でも手軽に作れるリースリングに合うレシピです。
リースリングとは?

リースリングは、ドイツ生まれの辛口から甘口、“長期熟成”まで幅広いタイプのワインを生み出す白ブドウ品種。
リースリングの栽培地はドイツやアルザス、オーストリア、オーストラリア、イタリア北部などが中心ですが、その大半はドイツが占めているようです。
栽培が難しい品種だけに日本における栽培面積は少ないものの、リースリングをかけ合わせた「リースリング・リオン」や「リースリング・フォルテ」、「信濃リースリング」など日本の環境に適応させた優れた交配品種が多く見られます。
リースリングの特徴は、幅広い香りの要素を持っているところ。
辛口タイプのリースリングは、青リンゴやライムなどの柑橘類、核果の香り、フローラルさ、またミネラルのニュアンスも感じられます。(一部のリースリングはTDNと呼ばれる元素が由来する石油のような香りを放ち、それが優れたリースリングである証拠だといわれています)
甘口タイプは、ハチミツやアプリコット、トロピカルフルーツの香りが感じられ、風味は自然な甘さです。
そんなリースリング最大の特徴は、なんと言ってもシャープな酸味。
辛口タイプはもちろん、甘口タイプでもすっきりと切れ味の良い酸味が感じられるため、華やかでありながら洗練された印象を受けます。

また、リースリングの魅力は幅広いペアリングを楽しめるところです。
シャープな酸味と爽やかな果実味を持つワインだけに脂分が多い魚との相性がよいとされており、刺身や寿司、天ぷらなど和食との相性が抜群。
またミネラルのニュアンス柑橘、爽やかな香りが大葉など独特の風味を放つ香草類、野菜全般と相性が良いところも魅力です。
甘口は辛みを感じさせる料理との相性がよく、スパイシーなアジア料理、ブルーチーズなど普段あまりワインと合わせないような料理とも合わせられます。
普段、シャルドネやソーヴィニヨン・ブラン、甲州といった定番白ブドウ品種を楽しんでいる日本ワイン好きの方は、この機会にリースリングを試してみてはいかがでしょうか。
リースリングに合わせるおすすめレシピ
リースリングは、それに合う料理との組み合わせでより魅力を発揮します。
料理研究家の尾田衣子さんが考案する、「リースリングに合わせるおすすめレシピ」を紹介します。
トマトと大葉のフリット 〜ディルチーズ添え〜(辛口)

- 【材料】2人分
材料(2~3人分)
トマト:1個(くし切りにし2等分)
大葉:10枚
片栗粉:20g
小麦粉:20g
炭酸水:30ml
塩:2つまみ
揚げ油:適量
A
クリームチーズ:大さじ1
マヨネーズ:小さじ2
レモン汁:小さじ1
ディルみじんぎり:小さじ1
- 【作り方】
- 水気を完全に拭き取って大葉で包む。
- 片栗粉、小麦粉、塩を混ぜ炭酸水を加え混ぜ、1をくぐらせ、180℃の油でサッと(衣がカリッとするまで)揚げる。
- ②を器に入れ①のスープを注ぐ。
- Aを混ぜ合わせ添える。
- Point
★トマトは加熱すると甘みが強くなり、リースリングのさっぱりした酸味とその凝縮感がマッチします。そのまま塩をつけて食べても合いますが、クリームチーズとマヨネーズ、ディル、レモンで味変させて、リースリングの酸味と合わせてもgoodです!
- ペアリング
★大葉の爽やかな味わいとリースリングの爽やかなニュアンスが調和。加熱されたトマトの甘さと酸味がリースリングの特徴とマッチするため、これだけ十分に満足できるペアリングが楽しめます。さらにクリームチーズの酸味やクリーミーなニュアンスも辛口タイプのリースリングと合うため、トマト以外のフリットでもペアリングを楽しめるのではないでしょうか。
蒸し鶏とキャベツの「白味噌ヨーグルト」エスニック和え(甘口リースリング)

- 【材料】2人分
市販のサラダチキン(プレーン):1枚(手で細かく割く)
キャベツ:1/6個(千切り)
塩:2つまみ(キャベツ揉み用)
ナッツ類(砕いたもの):15g
パクチー:飾り用
A
プレーンヨーグルト(無糖):大さじ2
白味噌:大さじ1
ナンプラー:小さじ1
レモン汁:小さじ1
豆板醤:小さじ1
- 【作り方】
- キャベツに塩を振って軽く揉み、5分置いてしっかり水気を絞る。
- ボウルにソースの材料Aをなめらかになるまでよく混ぜ合わせる。
- 2のボウルに、割いたサラダチキンと水気を絞ったキャベツを加え、全体をよく和える。
- 器に盛り付け、仕上げに砕いたナッツを散らす。パクチーを添える。
- Point
ドイツの伝統漬物「ザワークラウト」にならってキャベツをアレンジ。キャベツを千切りして塩揉み、サラダチキンを手で混ぜています。味付けは白味噌にナンプラー、無糖のプレーンヨーグルトの酸味をプラスさせてリースリングに合わせます。豆板醤で白味噌の甘さにピリッと感も加えた、和とエスニックを組み合わせたおつまみです。
- ペアリング
パクチーの強い風味も甘口リースリングなら違和感なく合います。また、白味噌とナンプラーにヨーグルトだけでなくリースリングの酸味も加わることで、さっぱり夏らしい味わいに。キャベツの甘みと豆板醤の辛味とのバランスも良く、複雑な味わいながら後味はワインの味わいですっきりした印象。甘口タイプのリースリングを合わせると、甘酢をかけたように甘酸っぱさが強調されてよりおいしく感じるペアリングです。
まとめ

白ワインの定番品種でありながら、じつは案外知られていないリースリング。
辛口、甘口と使い分けできるブドウ品種なのでペアリングの幅が広がり、日常の食卓がより豊かになります。
ぜひ、今回のレシピを参考に、リースリングとさまざまな料理のペアリングを楽しんでみてください。
参考

料理研究家/分子栄養学アドバイザー
オリーブオイルソムリエ
尾田 衣子(Oda Kinuko)
料理研究家・オリーブオイルソムリエとして、ワインの個性を引き立てるタパスや家庭料理を多数考案。
現在は、ワイン×タパスの少人数制イベントを中心に活動。
「難しい理屈より、家で再現できて“ちゃんと美味しい”こと」を大切に、初心者にも分かりやすい言葉でワインの楽しみ方を伝えている。
また分子栄養学をベースに“ワインを楽しみながら体を労わる食の工夫”にも定評があり、大人世代に向けた“心と体が軽くなるワイン時間”の提案を行っている。
