2022年の「母の日」は、5月8日(日)。

「今年はどんなワインを贈ろうか…」と悩んでいる方におすすめしたい1本が、「サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーAロゼ スパークリング」です。

今回、ワイン、とくにロゼワインの魅力を発信し続けている「UNITED ARROWS LTD. WINE CLUB」(以下、ワイン部)の部長 蟹澤徹さんとサントリーホールディングス株式会社へ突撃訪問。

サントリーの日本ワインづくり、そして「サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーAロゼ スパークリング」の魅力についてお聞きしてきました。

前半では、サントリーの日本ワインづくりへの思い、そして「サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーAロゼ スパークリング」について。

後半では、実際にテイスティングやペアリングを紹介していきます。

サントリーと日本ワインについて

今回、「サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーAロゼ スパークリング」についてお話してくれたのは、サントリーワインインターナショナル株式会社 ワイナリーワイン事業部の前田淳志さん。

まず、サントリーの日本ワインづくりについてお聞きしました。

前田「もともとサントリーは、ワインから始まった会社なんです。ワインを日本の文化に取り入れることで生活を豊かにしたいといった当時の思想から生まれたのが、赤玉ポートワイン(※現 赤玉スイートワイン)。日本人に合うようなお酒をつくるといったこの思想が、今ウイスキー、ビールといった形で広がっていった形です。日本ワインをつくり続けるにあたって、“良いワイン”をつくることは大前提ですが、ものをつくるだけではなく、“文化として広めていく”というのがサントリーの考え方になります。」

ワインづくりはブルゴーニュのグラン・クリュのように、絞り込むほどに価値が高くなっていくお酒です。しかし、サントリーはその軸だけで日本ワインづくりをしているわけではないと前田さんは言います。

前田「日本がワイン銘醸地として世界に認められるための軸は大切です。しかし、私たちは一方で皆さんに身近に感じていただいて、飲んでいただけるワインをつくといった軸も考えなければなりません。この二軸で日本ワインづくりをすることこそ、我々の考え方の基本だと思っています。」

蟹澤「私たちファッション業界も一緒です。ハイブランドを追求することは素晴らしいことですが、全ての人がそれを着こなすのは難しい。ハイブランドでなければファッションを楽しむことはできないといったものではなく、ファストファッションのように、いかに多くの人にファッションの楽しさを広めていくか、といった軸も本当に重要なことですね。」

前田「品質にはこだわりがあります。例えば、『登美の丘ワイナリー』の自社畑は現在の農地法ができる前から取得していたもので、私たちは自分たちでブドウ栽培をやってきた知見があります。ワインメーカーとしてだけではなく、栽培者としても質にこだわり続けているんです。」

「サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーAロゼ スパークリング」について

今回発売される「サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーAロゼ スパークリング」は、「ジャパンプレミアム」シリーズのひとつで数量限定品。

さらに、(株)岩の原葡萄園と共同で商品開発されたというユニークな商品です。

「サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーAロゼ スパークリング」の経緯やこだわりについて、前田さんにお聞きしました。

前田「瓶内二次発酵のスパークリングワインを発売してきているのですが、以前からもう少しカジュアルなものを提案できないかと考えていたんです。私たちは、『登美の丘・塩尻・岩の原葡萄園』といった3つのワイナリーで日本ワインづくりを行っていますが、岩の原葡萄園にスパークリングの設備が導入されるといったことになり、開発がスタートしたといった形ですね。」

(※)ワインなどの飲料に対して炭酸ガスを注入する用法をカーボネーションという 。それを行うための機器がカーボネーター

前田「また、5月にやってくる母の日は上期においてワイン需要が高まる日のひとつです。今回、原酒は『登美の丘ワイナリー』で醸造したものですが、甲州かマスカット・ベーリーAかといった時に、“母の日に提案する=華やかできれい、ほのかな甘味のある”といったことからマスカット・ベーリーAを選択。そこから、このロゼスパークリングワインが生まれたといった経緯があります。」

蟹澤「このロゼスパークリングを知った時、『岩の原葡萄園』さんと共同開発したといった話で驚きました。自分はプライベートで新潟県に縁があり、『岩の原葡萄園』さんも何度か訪問しているんです。サントリーさんのグループだということは今日まで知りませんでした…。個人的に、『善』のロゼスパークリングワインはお気に入りで、最近何本かまとめ買いした程です。」

前田「『岩の原葡萄園』がグループとなった話は、『登美の丘ワイナリー』を取得する前にまで遡ります。当時、『赤玉』の原料をスペインから持ってくるといった中で、世の中は戦争に向かっており原料ワインが入ってこない…といった状況でした。原料を国産化しようとする中で、鳥井信治郎が東京大学の発酵学の権威である坂口 謹一郎氏に相談したところ、『岩の原葡萄園』の川上善兵衛を紹介されたんですね。」

蟹澤「それは知りませんでした。『岩の原葡萄園』にある川上善兵衛の銅像の前で記念撮影までしたんですけどね(笑)。

前田「そして、当時『岩の原葡萄園』の川上善兵衛の志に心を打たれた鳥井信治郎がサポートをし、グループとなったという経緯があります。ただ、寿屋やサントリーといった名をつけることなく、あくまで『岩の原葡萄園』としてやっているところが特徴です。そのため、蟹澤さんのようにグループ会社だった…ということを知らない方も多いのではないでしょうか。」

「サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーAロゼ スパークリング」のこだわり

「サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーAロゼ スパークリング」の品種、醸造へのこだわりを前田さんにお聞きしました。

前田「ロゼスパークリングの原料となっているワインは山梨県産のマスカット・ベーリーAです。山梨県産のマスカット・ベーリーAの特長はチャーミングであること。私たちは、今回のロゼスパークリングにぴったりのお酒だと考えました。」

蟹澤「『岩の原葡萄園』との共同開発といったところから、このロゼスパークリングは『善』を連想させるのですが、岩の原はどのように携わっているのでしょうか。」

前田「今回、原酒は『登美の丘ワイナリー』、その先は『岩の原葡萄園』に製造依託といった形になっています。瓶詰め前の最終的な味わいの調整などを『岩の原葡萄園』のつくり手と登美の丘ワイナリーのつくり手が一緒に行いました。マスカット・ベーリーAらしさを出すといった部分では、我々以上に彼らには知見がありますし、今回は『善』のスパークリングワインも参考にしてもらっています。

蟹澤「『善』は品種名を謳っていませんが、今回はなぜマスカット・ベーリーAを前面に押し出しているのでしょうか。」

前田「『岩の原葡萄園』は2021年に130周年を迎えました。岩の原が中心となって、マスカット・ベーリーAのつくり手の会なども誕生しています。サントリーグループとしてマスカット・ベーリーAの訴求をもっと強化する必要性を感じていて、『岩の原葡萄園』をリスペクトし、川上善兵衛の功績であるマスカット・ベーリーAの認知を広めていくために、品種名を表記し、日本で生まれたワイン用ぶどうといった言葉も記載しました。」

まとめ

前半では、前田さんにサントリーの日本ワインづくりへの思い、そして「サントリージャパンプレミアム マスカット・ベーリーAロゼ スパークリング」が誕生した経緯をお聞きしました。

ちなみに、今回の『岩の原葡萄園』の話の中で、UAワイン部とも何かコラボレーションできたらイイね…といった話が。

こちらも、別軸で何かが起こるかもしれません。(あくまで個人的予想)

後半では、実際にテイスティングとおすすめのペアリングを蟹澤さんが行います。

参考

サントリー 日本ワイン
https://www.suntory.co.jp/wine/nihon/