2月に入り、いよいよ冬本番。一層寒い日が多くなってきました。
雪国では、上の写真にあるように、大雪に埋もれるワイナリーも。

秋田のワイナリー巡り第二弾は、北秋田市にある「あきた野ワイナリー&ガーデンファーム」をご紹介します。
取材にお伺いしたのは、2022年10月の初秋。まだ雪が降る前でした。

荒廃していた元リンゴ園を再生

あきた野ワイナリーは、開放感溢れる広大な土地にある、とても美しいワイナリー。
しかしここは、以前は20年以上放置されていたリンゴ園だったそう。

それを代表の北林丈正 社長が、2017年から土地の再生に取り掛かり、耕起、土壌改良、そしてブドウの苗植えなどを行ってきたそうです。2021年には醸造場を建設、そして2022年7月に果実酒製造免許を取得し、秋田の地で収穫されたブドウを使用したワインの製造準備を整えてきました。

ブドウは赤ワイン用がメルローやピノ・ノワールなど7種類、白ワイン用がピノ・グリ、リースリングなど6種類が植えられています。また、リンゴを原料にしたシードル作りも行う予定とのこと。

まずはワイナリーについて、北林社長と、奥様の千代様にお話をお伺いした。

始まりは”あの人”の一冊の本

あきた野ワイナリーを訪れた時「なんて美しいワイナリーなんだろう」と驚きました。
綺麗に整然と並んだブドウの樹に、美しい芝生。

北林社長は、実は現役の県議会議員であり、さらに一級建築士という、多彩な御仁。
その建築のノウハウを駆使して構成されたワイナリーの素晴らしい美観は、そのご経験があるからこそ。

そして千代様の手がけるガーデンも、ワイナリーにさらなる素晴らしい景観をプラスして、その魅力をアップさせています。

動画にもあったように、そもそもワイナリーを始めるきっかけは、長野県のヴィラデストワイナリーの創設者の玉村豊男さんの書籍だったそう。実際にブドウ畑やガーデンの雰囲気は、ヴィラデストのそれらに似ているなぁと感じていました。

あきた野ファームワイナリーも、いずれはヴィラデストのようなワインもお食事も景色も楽しめる、すごいワイナリーになるんだろうなぁ、と今から期待しています!

この日は、収穫ボランティアの皆様と一緒に、特性カレーライスをいただきました。
ブドウ畑を眺めながらいただくランチとワインは最高でした。

 

待望のファーストヴィンテージ

取材からしばらく経った頃、北林社長から「ファーストヴィンテージができた」とのご一報を。
記念すべき初ヴィンテージの貴重なワインをテイスティングさせていただく幸運に。

ピノ・グリと、シャルドネ&リースリングを味わいました。

どちらもほどよい酸味とフレッシュ感。そして上品な甘やかさもある。

特に驚いたのはピノ・グリ。
日本のピノ・グリでここまでしっかりとした芳香と味わいを有している日本ワインは、これまで出会ったことがありません。
色調淡いですが、テクスチャーもしっかりあり、そして果実の甘味も十分に感じることができる逸品です。
個人的に早速オーダーをしてしまいました!

 

あきた野ワイナリーは、これからの進化がとても楽しみなワイナリーです。
今回は白ワインだけのテイスティングだったのですが、赤ワインにも期待が膨らみます。

大館能代空港から程近い所にあるため、アクセスも便利。
北秋田の新ワインツーリズムを味わいに、ぜひ足を運んでみてください。

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